たまごの話7 ~佐々木さんは次のステージへ~

左;永田照喜治、右;佐々木さん
白身の透明度は、親鳥の健康度を表す。

その健康を保つためにえさに加えたのが、お茶の葉だった。
照喜治さんは、以前より、お茶の葉自体を食べることに着目しており、これを佐々木さんに勧めたのだ。

お茶がもつ殺菌成分”カテキン”が腸内を清潔に保つことに期待したのだが、殺菌力が強すぎ、鶏が死んでしまうということが発生してしまった。
その後、量を調節し、全体の数パーセントに抑えることで、適正な効果を得ることができた。

白身が美しく、生臭みの無いヴェジタリアンのたまごが、ここに誕生したのである。

しかし、ここでも問題が起きた。
福島や高知から関東に運ぶ過程で、割れるのである。

通常のPET容器は、少し当たっただけで割れる。
大きなたまご問屋では、たまご専用の車両を設けるが、それは規模の問題でできなかった。

それを解決したのが紙容器&”メガネ”。

紙容器は少しの衝撃なら吸収し、内部を守った。
後は容器の中で踊らない=動かないことが重要であることが分かった。
たまごを優しく抑え込むパーツが通称”メガネ”と呼んでいる緩衝材だった。

福島で震災があった後、高知に産地を再度お願いした際には、この”メガネ”パーツがなく、割れに割れた。
佐々木さんは、地元の高知でほとんど商売を完結していたので、割れの対策をせずに済んでいたのだ。

福島の工場に頼み込み、金型を譲り受け、再度、高知で作成。
それからは事故も少なくなった。

定期配送のサービスをりょくけん通販では行っているが、最近では、割れていた、という報告はほとんどない。

真ん中のお二人が息子さん夫婦。製菓職人の修業を経て独立。
「面白いことをまた考えとるきぃ。」

数年前から、佐々木さんは何やら新しいステージを考えているようだった。

それが

「こっこらんど」

だ。

あるいは弊社の影響もあったのかもしれない。
我が社も、野菜屋から野菜惣菜を開発し、販売している。

たまご農家として新たな可能性を、と息子さん夫婦が独立し、製造小売業も開始したのだ。
たまご屋から生まれたたまご料理屋さん。
たまごをふんだんに使ったプリンやロールケーキ、白身だけのプリンなどを販売している。
今のところ、高知にある一店舗だけだが、通販もやっているので、ぜひのぞいてみてほしい。
http://coccorando.com/

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