”減農薬栽培”&”低農薬栽培”→「特別栽培農産物」

"減農薬栽培”という単語もあった、周辺市地域の平均の農薬散布回数よりも半分であれば、名乗ることができた。
”低農薬栽培”という単語も。こちらは、なんと、定義なし。

そして、いずれも2003年の法律施行で、使用禁止のワードになった。
あいまいだからである。

減農薬栽培については、”周辺地域”の定義がない。
しかも、平均の農薬散布回数というが、誰も定めていなかった。

これに代わって整備されたのが、「特別栽培農産物」という制度である。
業界ではトクサイと呼ぶことが多い。

無農薬栽培も、減農薬栽培も、この新たに生まれたワードに集約された。

トクサイの条件は三つ。

1.化学合成農薬の散布回数(成分)と肥料(窒素分)の使用量が、都道府県単位に設けられた慣行基準の半分以下であること。
2.特別栽培農産物として栽培することを事前に提出し、第三者機関に認証を得ること。
3.ホームページやポップなどでで消費者が確認できること。

前体制では、ほぼ無法状態であったルールが、この法律によって、きちんと決まった。

非常に革新的な施策だった。

”周辺地域”という定義のない地域が、都道府県と定まった。
国から、各都道府県に指示が出て、平均的な農薬の散布回数(成分数)を農家にヒアリングして定めよ、ということになった。

ところが、ここで問題発生。
なんと、農薬の散布を記録していた農家が少なかった。
十分なデータとして成り立たなかったのだ。

端的な例を挙げると、沖縄のピーマン。
慣行基準が、弊社の契約農家の使用回数とほぼ同じになる、という事件があった。
絶対的に使用回数が少ない、と考えていたのが、普通の慣行栽培になってしまった。

つまり、記録していたのが弊社契約農家以外にはあまりいなかったため、慣行基準≒弊社契約農家の農薬使用回数になってしまったのだ。

翌年、再度ヒアリングが行われ、倍以上の使用回数で慣行基準が設定しなおされた。

2003年以前は、農薬についての行政がそれくらい整備されていなかったといえるだろう。

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