公私混同11。~同世代からの刺激2~

赤木さん
「お久しぶりです!」

ハウスの陰から、赤木さんがやってきた。
体形は変わらないが、「あら。」と思った。

少し落ち着いたか。

電話やメールでやり取りはしているが、直接お会いするのは7年ぶりくらい。

「父がお世話になっています。」と長男がちょこんと挨拶。
「お。すごいね~。」と赤木さん。

「こんにちは!」と赤木さんが、次男に向かって言うと、
「こんにちは!」と次男が返した。

きちんと挨拶ができたことにほっとした。

右側から、ほおずき、露地のアスパラガス、ハウスのアスパラガス、露地のアスパラガスと続く。
約1ヘクタールの広い圃場すべてで、農薬は不使用。
アスパラの圃場は、有機JAS認証を取得している。

「今はどちらにいらしたんですか?」
「ハウスの解体とミニトマトを収穫していました。」と赤木さん。

アスパラが終わった場所で、ミニトマトを植えて、夏の間だけ収穫するのだという。
「そうすると二毛作になるので、収入も増えますし、連作防止にもなるので。」

「ハウスの解体をしているんですか?」

「はい、じつはもうここでは狭くて、新しいところに徐々に引っ越してるんです。」
「え!?」

「もう二年くらい前から供給が追い付かなくて、、、」

ほどほどに現圃場を見て、勝手にトラクターや芝刈り機に腰を下ろしていた息子たちを回収して、引っ越した先に行くことにした。
自走式の草刈り機にまたがる次男…。

「それはオモチャじゃない!」

トラクターはけっこう危険な乗り物で、横転することで、農家さんが、毎年何人も亡くなっている。

「この後はどこに行きます?勝んところですか?」
「はい。」
「じゃあ、余市に向かう途中なんで、地図書くので見て行ってくださいよ。」
「あ、ぜひぜひ。見たいです!」

アスパラの圃場から再び鶏舎の前を通り、ログハウスのところまで戻る。
道すがら、質問。

「ほおずきの畑にいた方たちは?」
「あ、修学旅行の人たちです。農業体験したい、っていうことで、受け入れしました。」
「へえ~そんなこともしているんですね。」
「このログハウスもねえ、研修生の人たちの住居として開放しているんですが、もう直すところばっかりで。」
「へえ~。そういえば、土曜日ですけど、働いてましたね。」
「あ、みんな働きたいんです。ただ、やっぱり僕たちと同じことで、子どもがいるんで。」
「?」
「今はもう、保育士の方を頼んできてもらってるんですよ。ここで預けて、みんな働いてます。」
「保育士の方を呼んでるんですか!―初めて聞きました。そんな農家さん。すごいっすね。」
「雇用も守りたいですし。」
「そういえば、赤井川村に入ってから、ちょっと人気(ひとけ)がなくて、やっばいな、って思いました。」
「ええ、そうなんですよ。だから頑張んなきゃ、と思ってます。有難いことに、僕はそれだけのお金をいただいていますし。」

赤木さんのホワイトアスパラは美味しいし、有機JAS取得しているし、きれいだし、太い。
付加価値が高いのだ。

ヨーロッパ産のものと違って、えぐみがなく、日本人には調理しやすいのも特徴。

そんな話をしているうちに、駐車場に着いた。

赤木さんは、宅配用の軽トラに乗り込み、「やっぱり案内します。後からついてきてください。」

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