北海道の状況。

「とーちゃん、起きて、とーちゃん」

関東はいたって平和な朝だった。
風が少し強いが、日差しも強い、晴れた朝だった。

スタッフさんから一本のメール。
”北海道の農家さん大丈夫でしょうか”

東北や北海道は、風は吹いたものの、台風の害は、想定よりも被害はひどくなかった、と農家さんからは気丈な連絡を受けていた。

朝食をさっと食べ、息子たちを連れて、保育園に着くと北海道の農家さんから電話が入った。

「ピーマンが送れないんですっ」

明らかに動揺した感じがとれる。

元気いっぱいの保育園児が、周りでざわついている中、必死に聞き取る。

「北海道、地震があって、空港が動かなくて、今、電気も止まってて、まったく情報が無くて、、、」

「え!」

知らない、というのは恐ろしいものである。
我が家では朝、テレビを見ない。
こどもたちの朝の準備が進まないからだ。
それにしても。

「すみません、地震があったなんて知らなくて!ピーマンはお気になさらず、とにもかくにも桑山さんの生活を最優先してください!」

「あ、じゃあ、送れるようになったら、送りましょうか!?」
「はい、お願いします!」

”6日午前3時08分、北海道胆振地方中東部の深さ37km付近を震源とするM6.7の地震が発生しました。安平町で震度6強、千歳市震度6弱。”

桑山さんは、千歳市に隣接する恵庭(えにわ)の農家さんだ。
北海道の空の玄関口である新千歳空港のすぐ近く。
その地で震度6弱だから、空港が動かない。

震源地の近くには苫小牧(とまこまい)の工業団地があり、発電所が集中している。
そこが地震の影響で動かない。

もっと北の士別の農家さんなら、大丈夫だろう、と思って伺うと、そうではなかった。
局所的なものではなく、北海道全戸で停電。

「あの辺の(=苫小牧の)発電所を直すため、各地方の余剰の電気を回しているみたい。」と士別の西川さん。

「こんなの初めてのことなので、みんなコンビニに走ってますよ。」とは新十津川の廣田さん。
毎年じゃがいもをお願いしているが、今年は、いまだ収穫できていない。

「台風や地震で、畑は大丈夫ですか?」と聞くと、

「台風や地震もだけど、それ以前の長雨やら高温やらで、もともと畑はぜんぜん良くないから。今年は3割くらいしかとれないじゃないかなあ。」
と口をそろえる。

北海道の夏の自給率は400%を超える。
それが、30%ならば、じゃがいもや玉ねぎの安定供給への影響は必至だろう。

「おかげさまで、スタッフも、家もこちらは大丈夫だから。心配ありがとう。」
人命を心配すると、そんな、気丈な答えが返ってきた。

とりあえずは大丈夫だが、地震と、交通網と電気のストップが、不安を助長している感じだ。
畑は、もともと収穫減だから!とすでに腹をくくっている。

被害が最小であることを願う。

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