商売の師匠さんの事。

新卒で入社したファーストリテイリングの初任地は下関だった。

ユニクロの当時のシステムだと、新入社員は優れた店長がいる店舗に配属になり、半年間みっちり教育を受ける。
今でも、商売や店舗経営の師匠と思う方で、年賀状のやりとりもしている。

店舗で接客しているときのこと。

「うちの子、今度、6歳なんだけれど、この帽子入るかしら?」

22歳の時である。
皆目見当がつかない。

さっと師匠が入ってきて、
「そーですね、うちの子が今、5歳と3歳で、このサイズが入るので、大丈夫だと思いますよ。」

ものすごく、お客様が納得され、安心して購入された。

「今のはテクニックなんだよ。こちらにも実経験があって、子供がいる、っていうと、親であるお客様は安心するんだよ。」

ユニクロの本社にも勤務して、部長を何年も勤め上げた後、故郷の下関に帰ってきた方。

店長になるための研修で渋谷にあった本部や、山口の本部に行くたびに、いろいろな「ビッグYさんは元気ですか?」と聞かれたものだった。
ビッグ~というのは"大物"とか、"度量が大きい"ということから来ている枕詞だったらしい。

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「このトマト、うちの子、食べるかしら?」
「おいくつですか?」
「2歳になったところ。」
「うちの息子が今、3歳ですが、2歳の時には、皮も剥かずにもう食べてましたね~。あとやっぱり、じゃがいもとか、かぼちゃはよく食べます。」
「ほんと?じゃあ、買ってくわ。」

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そんなやりとりをすると、ふと、当時を思い出す。

あれから20年。
自分もそんなことを言えるようになった。

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