待ち合わせは、”フエリ”乗り場。

北条市は、松山よりも東に位置する。
松山を再度通り、伊予市を突き進む。
この辺りは住宅街なので、それなりに渋滞もある。
ようやく高速道路に入り、大洲まですっ飛ばした。
途中、内子という場所を通った。

内子には、実は気になるチーズ屋さんがいる。
牧場も経営しながら、チーズ工房を、標高の高いところで運営しているのだ。
本当は立ち寄りたかったが、日も暮れているし、何より、八幡浜で川田さんを待たせている。

またの機会にすることにした。

大洲インターを降りると、八幡浜まではすぐだった。
ふと気づくと八幡浜駅が左手にあり、通り過ぎた。

信号で止まっている間に、川田さんに電話した。

「川田さん、八幡浜の駅を今過ぎました～」
「おお、着いたか～　そのまま、まっすぐ400m進んでフエリ乗場まで来てくれ～おいちゃんすぐ行くから。3分。」
「フ、フエリですか…？」
「フェリー乗り場っ」
「あ、フェリーですね。。かしこまりました、向かいます～」

本当は、予約しているホテルのすぐ近くまで来ていたので先にチェックインしたかったのだけれど、まっすぐ進んでフェリー乗り場に来た。

巨大な港で、大分の臼杵や大阪など方々に船が出ている。
大きな駐車場もあったので、そこに停めて待つことにした。
しばらくすると白い軽トラが駐車場に入ってきたので、自分も車を降りて、近寄った。
あれかな？と思ったけれど、女性が降りるのが見えて、川田さんは見えなかった。

すぐに携帯電話がなった。

川田さんだった。

「どこおる？」
「フェリー乗り場の駐車場から出たところです～」
「周りに何が見える？」
「○○屋さんって見えます。」
「○○？俺もそこの目の前にいるぞ。」

暗い中、少し目線を上げたら、何のことはない、10m先に、携帯電話で話す川田さんがいた。