フィンガーライム考察。

鹿児島県、薩摩半島の先端に指宿(いぶすき)というところがある。
開聞岳(かいもんだけ)という活火山があり、地温が高いので、他の地域よりも季節を先取りして野菜くだものを育てることができる。
町中で温泉が湧き出ていて、道路の側溝からモクモクと湯けむりが立つ。

夏の間、様々な品種のマンゴーを譲ってもらっていた鍵山さん。
ガラスハウスの中ではマンゴー以外の熱帯のくだものを栽培しており、フィンガーライムもそのひとつ。

オーストラリア原産の柑橘で、何千年もの間、アボリジニの人たちが種を守ってきた。
ヨーロッパからの移民が増え、農地を増やすたびにフィンガーライムの低木は除去されてしまったが、私有地や国立公園など隔離された場所で細々と生き残ってきたらしい。

ここ数年、その美しさと美味しさが注目され、主に料理人の方が重宝し、その存在が世の中に盛んに紹介されるようになった。
細長い形をしていて、店頭で販売していると、お客様からギョッとされ、「このイモムシみたいなものは何?」と質問されるような外観。

カットしてみると、柑橘の強い香りがする。
果汁はまったく出て来ない。
指で強く推すと、サジョウという粒々が出てくる。
これを口に入れて、噛むと香りや味がギュッと広がってくる。

果肉の色は、緑や黄色、赤など様々で、現地のオーストラリアでも品種名は”勝手に”つけられているようで統一名称は今一つ確立されていないようだ。
200品種以上ある、というような記述も見かけたけれど、オーストラリアの企業できちんとフィンガーライムを紹介しているところによると、29種類の分類が見受けられた。

オージーフィンガーライム社のHP↓
https://www.ozfingerlime.com.au/varieties

鍵山さんから頂いたのは果肉が淡い赤い色のもの。
品種名は不明だけれど、前述のオーストラリアのサイトと照らし合わせると、、

淡い赤のピンクアイスと濃い赤のリトルビューティの二品種の混合ではないかと思っている。

濃い赤の方は、だいぶやわらかくなっていたけれど、めずらしくあふれるくらいのジュース分があり、食味も良かった。
置いておくと色は増すのだろうか?
当初よりも外観の赤も濃くなったし、果肉もかなり鮮やかな赤だった。
糖度も13.3度と高い。
おそらくリトルビューティ

サジョウの、固い粒々をしっかりと噛み砕かないとその味は堪能できない。
シャンパンなどに添えたりするようだけれど、そのまま飲んでしまったら、味わえないので少し残念か。

チコリやサラダに添えるのも美しいけれど、噛まずに飲み込んでしまいそうで、、、

気になる栄養価は、ビタミンCがみかんの3倍、葉酸、カリウム、ビタミンEが豊富だそうな。
特に赤い果肉の品種はビタミンEがとても多い。
ビタミンEは、抗酸化作用があり、アンチエイジング、体を錆びさせない。

どういう料理が良いのかと考えつつ、スプーンですくい良く噛み一人で満足してしまった。

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