新米登場。

shutuho.jpg 豊かな自然が残る岩井

東京駅から出る高速バスで小1時間。「岩井」という停車駅から、車で15分くらいの場所に、りょくけんコシヒカリの生産者である山﨑さんの事務所はある。

山﨑さんは、茨城県で、一番最初に「有機農産物」の認証を得た方※で、国頼みであった米経営から脱却し、いち早く安全性や美味しさに着目した先見性のある生産者さんだ。

お米と言うと、新潟県の魚沼が有名だ。それにつられ、新潟県産=美味しいと思われがちだが、あながち、そういうわけでもない。新潟はかなり広く、各地域で土壌や気候条件が違い、すべからく美味しいとは、申し訳ないのだが、言えないのが実情なのだ。やはり、農家さんの情熱だったり、技術、土壌、気候によって、味は大きく差が出てくる。

それに対し、茨城はどうか? 実は、古くからの稲作地帯である。しかし、大消費地であった江戸に近いことから安穏として、充分な努力を怠ってしまった。官民一体となって、広告宣伝活動をしてきた新潟とは、必然とブランド力に差が生まれてしまった。

だがしかし、茨城の米は悪くない。特に山﨑さんが水田を持つ岩井から筑波にかけての地域は、気候風土が、魚沼に似ており、とても品質の良いものが取れる。その恵まれた地において、長らく忘れられてきた「努力」を行おうと立ち上がったのが、他ならぬ山﨑さんなのだ。

yamazaki.jpg 稲作経営を行う山﨑正志さん。

「時期になると、ラジコンヘリが飛んできてね。一斉に薬を播いたっぺ。それ見てて、これで良いのかな?っと思ったんですよね。」

りょくけんでは、除草剤の不使用を、農家さんにお願いしている。細かな土中の根を傷め、微量の栄養素を吸収しないと考えるからだ。ところが、ことお米に関しては、除草剤を使わないのは厳しい。農薬の削減を目指している農家さんであっても、「除草剤だけは使わせて欲しい」、と言う。水の入った田んぼにおいて、草をとることは非常に難儀であり、これまでも、りょくけんでは、米に限り一回だけの使用を認めてきた。

山﨑さんがすばらしいのは、安全性と美味しさの他に、効率性つまり「適当な価格」が可能になることにも苦心するところだ。一つ一つの草を人が刈れば、その分人件費がかさみ、とても高価なものになってしまう。それではダメだ、と取り組んできたのが、機械除草だ。何年もかけて、メーカーと協力し、草取りの機械を作りあげてきた。もう3年も前になるが、当時は、「ひえだけが機械で取れない」とおっしゃっており、そのひえのために、微生物系の除草剤を使用していた。ひえは、稲を植えると必ず発生する植物であり、悪いことに、稲に混ざって生える。そのため、機械で入ろうとすると、稲まで取ってしまう。合鴨を放ったとしても、ひえだけは食さない。

ところが、今年話したところ、そのひえをも、機械で除草できるようになったという。

「え?除草剤使ってないんですか?微生物系のものも?」

「高くて売れなかったでしょうね。生産中止になりました。」

「え?じゃあ、どうやって除草しているんですか?」

「機械でできるようになりました。」

山崎さんの努力には頭が下がる。

kikai josou (kuruma).jpg これが機械除草だ!

kikai josou (teosi).jpg 正直な話、写真ではなかなか伝わりにくいが…。

山﨑さんのところでは、種子消毒についても、農薬を使用しない。平たく言うとお湯で消毒する。栽培履歴を確認して驚いた。農薬の欄には「温湯消毒」のみ。 いわゆる「無農薬」の米になった。

肥料も非常に少ない。これがりょくけんがお取引をお願いしている理由のひとつでもある。近くを流れる川の栄養分が多く、川や雨水にも、栄養分が含まれているから、それ以上余計な肥料を与える必要が無いのだ。こうすることで食味も断然上がる。

香りがあり、程よい粘りがある。かむほどに甘みが出てくるし、この甘みが、冷めても持続する特徴が、山﨑さんのお米にはある。

suiden.jpg 今年もたわわに実りました。

りょくけん米(新米) 銀座店店頭で、好評販売中。

■りょくけん米 1kg 945円(税込)  5kg 3990円(税込)  ◎配送も承っています。

■りょくけん直播塩むすび 1個 189円(税込)  …チェルヴィアの塩のみで味付けしたりょくけん米を、有明の海苔で包みました。お米の味をストレートに味わっていただける、スタッフも大好きなおむすびです。
※りょくけんに卸していただいているお米は有機栽培農産物ではありません。


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