桃の三名人‐その壱

連日、お店でも大人気の、桃。りょくけんでは3人の名人の桃を扱う。今回はその3名を紹介したいと思う。

momonohana.JPG 桃の花。訪れたのはまだ3月のころだった。


自分が(株)りょくけんに入社して3年と少しが過ぎた。たくさんの農家さんに出会って、話して、たくさん勉強させてもらった。その中でも、最初にお会いしたのが、山梨の高橋さん。今では、松屋スタッフの中でもファンが多く、私も大好きな農家さんの一人だ。

高橋さんの住む一宮(いちみや)は、桃栽培のメッカで、桃生産量全国第一位の山梨県の中でも、その頂点に位置づけられる地域のひとつ。「金川原(かながわら)」という地名からも察しがつくとおり、もともとは川の河川敷であり、水はけがめちゃくちゃ良い。そして盆地であるために、昼と夜の気温差が大きく、高品質の桃が栽培できる。

高橋さんの桃栽培の特徴は、たくさんあるが、主に三つある。

 一、手選果。

 二、一本仕立て。

 三、生き残った強い桃=美味しい桃。

の三つだ。

 一、手選果。

一般的に農協などに出荷する場合は、機械によって、大きさを選別され、箱詰めされる。機械で痛まないように、農家さんは固めで出荷しなければならないから、どうしも未熟になってしまう。

ところが、高橋さんは自分と奥さんで、選果するから、ぎりぎりまで熟させることができるのだ。

「完熟じゃなきゃー、うめくないだよー。」

 二、一本仕立て。

下の写真を見比べてほしい。

 waika.JPG 図1


ippon jitate.JPG 図2

図2 が高橋さんの樹で、図1 がよその畑の樹だ。多くの果樹と同じく、収穫や作業の効率を上げるため、人の目線に実がなるように、樹を作る。これが矮化(わいか)栽培だ。ところが、高橋さんは一本、樹をまっすぐ伸ばし、即枝をつける。矮化栽培が横に伸ばすやり方だとすれば、一本仕立ては上へ上へ伸ばすやり方だ。このほうが、ひとつの桃の実に満遍なく当たり、日当たりのばらつきがなくなるのだ。

 三、生き残った強い桃=おいしい桃。

ひとつひとつの実に栄養が行くように、桃の果実を減らすのが、いわゆる間引き=摘果だが、高橋さんはあまりしない。実が生るだけ生らせ、後は自然落果を待つのだ。「弱くてまずい桃は、自分から落ちるから、待ってればいいだよ。」おおよそだが、たくさん実をつけたとしても、1/3は落ちるのだそうだ。そして生き残った桃でも、そのうち1/3は外観や、病気の問題でB品として出荷しない。だから、世に送り出されるのは、たったの1/3しかないのだ。

おいしい桃は、恵まれた環境もあるが、やはり農家さんのたゆまぬ努力と技術がなおいっそう磨きをかけるのだ。「もうけようとはいくらも思っちゃおらんだよ。消費者の皆さんに!『ウマイ!』って喜ばれるのが、一番、嬉しい。それが楽しみでやってるだよ。」

iemasa san.JPG 高橋家正さん。まもなくぶどうの出荷も始まる。


■白鳳 7月頭~7月15日 申し訳ございません、本年すでに終了。来年よろしくお願いいたします。

■黄金桃 8月15日~22日くらいまで。 630円/玉

■ぶどう(藤稔) 8月15日~22日くらいまで。 来週よりピオーネが始まる予定。

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