一冬越えて、甘みはひときわ。
ピンネシリ山の麓の台地に広がる畑。
野菜と言うと、とかく鮮度を重視しがちだが、収穫後、しばらく貯蔵したほうが、ずっと美味しいものも、中には存在する。その過程は、西洋梨やメロン、キウイの類と似ている。
「じゃがいも」も、そのひとつだ。
じゃがいもには、楽しみ方が二つあると思う。新ものは、香りとタンニンを少し感じさせるフレッシュなほろ苦さが特徴だ。皮が薄く、果肉はやわらかめで、まるごと使われることが多い。貯蔵ものは、たっぷりと溜め込まれた澱粉質が、貯蔵の過程で、糖分に変わっていく。肉質がねっとりとして、粘りがあり、ほんのりとした甘みがある。
撮影用に、廣田さん(父)が掘り出してくれた(撮影は8月の下旬)。
本来であれば、葉が完全に黄色にならないと掘らない(一部黄色くなり始めている)。熟度が浅いからだ。
肥料分が少ないため、きれいな丸型ではなく、ごつごつしている。
日本で最も早く収穫されるじゃがいもに「にしゆたか」という品種があるが、正直、食味は良くない。味がないのだ。
北海道の大地で、9月中旬に収穫した廣田さんのじゃがいもは、収穫直後でさえ、ごつごつとした形状で、ひび割れの入った、決してキレイな外観ではない。貯蔵させたものは、さらに古びた印象を与えるので、お世辞にもキレイとは言いがたい。
果皮にひび割れが多数。見た目は悪いが、これが完熟の証。
だが、食べてみると、差は歴然。熟成された甘みとねっとりとした肉質は、とても美味しい。
「2月とか3月まで、自家用でおいといた『メイクイーン』なんて実に甘みがあって美味しい」とは、廣田さんの弁。りょくけんでは、3~4月の販売分を気候の涼しい北海道で(廣田さんのご自宅で…)貯蔵していただき、こちらに寄せることにした。
畑を前にして廣田さん(息子)。親子で農業に情熱を注ぐ。
フライドポテトや肉じゃがなど、芋自体を楽しめる料理がオススメ。ベジデリカの「じゃがいもニョッキ」もとても美味しい。ぜひ北海道の名残を楽しんで欲しい。
■越冬男爵/越冬メイクイーン 各158円/袋(税込)
■じゃがいもニョッキ 630円(税込) 温野菜のサラダや彩り野菜のグリルにも入っています。そのしっとりした甘みを実感してみて。
◎新じゃが「でじま」は、4月下旬ころから。こちらもお楽しみに。
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