東風吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ

nanko.jpg ←完熟南高

松屋銀座のお店に行くと、販売スタッフから「今年の梅はいつから始まりますか?」と質問があった。一般のお店でも、青梅が中央のテーブルで山積になって売られる時期になっている。

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りょくけんで扱っている品種は二種類。「古城(こじろ)」と「南高(なんこう)」だ。いずれも、和歌山県の田辺湾に面する山間の斜面で育っているものに限定して取り扱う。

128_28912.jpg ←紀州山地に立ち並ぶ梅

古城は、農家さんに聞くと、「こじろう」とか「こーじろ」と発音していて、入社したてのころは、「小次郎」と表記すると勘違いしていたものだ。80年前に生まれた品種で、和歌山の那須さんという方がよそから手に入れた穂木を挿し木して、その中から良好な品種を選抜したのが始まりという。今も、その原木は和歌山にあると聞く。きれいな青い色が特徴で、梅酒や梅ジュースにすると、見事な緑色に仕上がる。他品種に比べ、花が咲くのが遅いが、結実して、収穫できるまでが短く、かつては「青いダイヤ」と称されて、重宝された。

128_2870.JPG ←古城

南高は、花が咲くのは早いが、実が収穫できるのが遅く、生育期間が長くなるため、肉厚で、風味の濃い梅になる。古城よりも一回り大きく、完熟すると黄色くなり、食味はそのときが最も良くなる。毎年、6月20日ごろになると、木の下にネットを張り、木から自然落果したものを収穫(?)し、完熟南高として紹介している。日持ちせず、旬も短く、5日間ほどで終了してしまうが、梅干にしても、梅酒にしても、風味が良い。ただ、梅酒にした場合は、ふだんイメージしているような、きれいな緑色が出ないので、ご注意あれ。

128_2887.JPG ←青いネットに落ちた実

南高梅は、品種改良されたあと、5年間の試験栽培の中で、最も優れた木を選抜した品種。植樹したのが、南高校だったため、「南高」という名がついたという。

128_2884.JPG ←南高

「梅」の語源も興味深い。中国語の「梅(=マイとかメイと読む)」が日本語化するときに、「ンメイ」になり、鼻音がついて「ウメ」になったのだとか。そういえば、東北地方に行くと、今でも「ンメぃ」と発音しているような気がする。

さておき。初夏を彩る季節のもの。まずは古城、明日からスタートだ。

128_2894.JPG ←生産者の一人 向日さん。畑の急斜面にて。

■古城梅 和歌山県産 1kg 1890円 6月7日~

■南高梅 和歌山県産 1kg 1890円 6月15日ごろ~
http://shop.ryokuken.co.jp/products/detail.php?product_id=106

■完熟南高 和歌山県産 1kg 1890円 6月25日ごろ~

※黒砂糖 鹿児島県産 400g 1050円 梅酒や梅ジュースにどうぞ。

※タイトル 学問の神様 菅原道真の句。無実の罪で流罪となり、自宅を離れ、九州に赴く際に詠んだ歌。受験勉強と梅を見ると思い出します。

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