なめらかなプリンじゃなくて良い。そう思っています。

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もうすぐホワイトデーだ。実は弊社 社長の誕生日でもある。その社長から、オープンしたときから、ずーっと、デリカのメニューとしてつくりなさい、とリクエストされてきたものがある。

プリンだ。

「今、流行っているような、なめらかなプリンじゃない。子供のときから好きでね。おふくろがよく作ってくれたなあ。あの、固い、昔ながらのプリンが食べたいんだ。」

今のお店がオープンしたのは、一昨年の7月1日。2坪のスペースで仮出店させていただいたのが、その更に1年前。それより前に、1週間、期間限定でりょくけん野菜を販売をさせていただいたことが、何度かある。2004年のことだ。つくる(=作る、創るの両方)のが大好きな社長の思い入れもあり、二回、その販売会で、プリンを販売した。一回目は、著名な某都内のレストランに依頼。流通が大変だった。二回目は取引先の工場。茶碗蒸しの設備だったためか、容器も茶碗蒸し。同じレシピにも関わらず、雰囲気も含め、食感も、なぜか茶碗蒸しのようだった。そして大量生産のため、ロット(=製造の最低限度数)に苦しんだ…。

当時を振り返ると、りょくけんとその野菜を愛してくれる販売スタッフは、今と同じように居た。だが、調理人が居なかった。社長と私でアイディアや試作は出来るものの、それをお客様に調理してくれる人が居なかったのだ。

でも今は違う。時を経て、りょくけんに賛同してくれた、若く、頼りになる厨房スタッフが何人も居る。社長のリクエストを、再び具現化できる時が来たのだと思う。

「今の売っているプリンは、裏の表示を見れば、色んなものが入ってる。そうじゃないんだ。そうじゃなくて、たまご、牛乳、砂糖だけでつくったやつが良いんだ。」

社長が、プリンにこだわった理由はもう一つある。良質な、たまごと牛乳を、すでにりょくけんが持っていた、ということである。

「ストックホルム生協のダニエルソン教授が言ったんだ。卵アレルギーの原因は餌にある、と。」

nerra.JPG 良質なたまごを産む「ネラ」という品種の鶏。

たまごの開発に弊社が乗り出した当時、『アレルギー』は、まだ日本ではなじみが薄かったが、認識もされ始めていた。そんなご時勢だったのにもかかわらず、いち早く『非アレルギー』のたまごを作りたいと考えた。それが、りょくけんの卵だ。

ダニエルソン教授によると、卵アレルギーの原因となっているのは動物性の餌だという。産卵量を増やすため、動物性の餌は欠かせない。タンパク質を多く与えることで、産卵が促されるのだ。「有精卵」「平飼い」「ビタミンE強化」。いろんなキャッチフレーズがあるものの、経営効率を上げるため、動物性の餌は与える鶏舎がほとんどだ。

よし分かった、じゃあ、野菜を与えればよいんだな、野菜なら得意だ、と野菜ばかり与えたところ、1ケ月に1回しか、鶏はたまごを産まなくなってしまった。それならば、と比較的タンパク質の多い野菜たちと組み合わせると、ある程度、産み始めた。次にお茶の葉をほんの少し混ぜてみた。すると、鶏舎内の鶏の病気が少なくなり、糞が臭くなくなった。その鶏たちが産んだたまご自体も、臭みが無くなった。

the right one is ryokuken.JPG 左が一般の飼料。右の薄いものがりょくけんの飼料。

他のたまごに比べると、やたらと白身が透き通っている。後で分かったことだが、白身の透明度は、鶏の健康度を表す。飼料を植物性にシフトし、お茶の葉を与えることで、鶏は健康になり、そしてたまごも、アレルギーの無い※健康なたまごになったのだった。

コシが強く、生臭さが少ない。そんなたまごに仕上がった。

grasp the egg.jpg 箸でつかめてしまうほどコシと粘りがある。スタッフのお母様が、このたまごでオムレツを作るとふわふわになるー。」と喜んでいた。私も嬉しかった。

牛乳にも同じようなことが言える。栃木の那須高原に『りんどう湖ファミリー牧場』と言う貯水池を利用したレジャー施設がある。「レジャー施設?」と思うかもしれないが、かなり真面目に畜産に取り組んでおり、指導を乞われた。それまでの動物性飼料をすべて排し、植物性に切り替えた。もちろんお茶の葉も少し混ぜる。牛の体質改善に2~3年かかったという。ベジタリアンの牛の牧場は、これまた少しも臭くない。

kawasaki.JPG りんどう湖ファミリー牧場 川崎牧場長

「乳量は、どうですかね、半分くらいに減りましたかねー。でも、乳質は抜群に向上しました。」とは川崎牧場長の弁。 

元々、りんどう湖さんの牛は、ホルスタインではなく、ジャージー種。乳をとるために品種改良されたホルスタインにくらべると、体も小さく、搾乳量は半分から1/3と言われる。1/2×1/2。一体どれくらい贅沢な牛乳なのだろうか?

jergey.JPG 優しい目のジャージー牛。

そうして仕上がったジャージー牛乳は、やっぱり色が真っ白で、ありがちなしつこさが無い。コクや甘みがふくよかなのに、さっぱりしているのだ。

この二つの素材を組み合わせたもの。それが、このプリンだ。昔ながらの固いプリンを、ということから、『昔プリン』と名づけた。バニラエッセンスなど香料を加えずとも、臭みが無く、プリンの味がとても濃厚。少し苦めのカラメルは、きっといまどきの方にも受け入れられるはず。

日ごろの感謝をこめて、男性から女性に送るのも良いし、女性が食べたって良いと思う。

満を持して送る、りょくけんの自信作です。

■昔プリン 1p 378円(税込) 3月6日(金)~8日(日)先行販売。 3月13(木)・14日(ホワイトデー) 数量限定で販売。

※残念ながら、実験が不足しており、医学的な証明が弊社では出来ておりません…。しかし、松屋銀座店の店長は、卵アレルギーがありますが、弊社のたまごを食べても、蕁麻疹が出ません(どなたか、そういった機関をご存知でしたらご紹介ください)。

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