三本柱。

梨にはメインとなる横綱品種がある。

幸水と豊水である。

新高(にいたか)や二十世紀、かおり、秋月、南水とこれに続く品種も出ているが、絶対的王者は、幸水だ。
梨はもともと、日持ちしない。
あまり長い期間の収穫もできない。
2週間くらいのものだ。

だから、産地をリレーする必要がある。

りょくけんでも少し前まで長野県の準高原の梨しか扱っていなかったが、小林さんに出会って、8月のお盆前の梨も取り扱うようになった。

ちなみに、小林家はもともと梨農家。

現在の主力であるとうもろこしは、小林さんの代になって、本格的に取り組み始めた。

上下とも同じ場所の写真。棚の下は暗いので、撮影が難しい。通常は上のように暗くなるが、二枚目でしっかり修正。

「立派な木ですね。これで何年くらいのものですか?」
「私が16歳の時に親父が植えてたからもう25年ですかね。」
「木の寿命はどのくらいなんですか?」
「そりゃあ、梨は孫の代まで続く、っていうので、60年~90年くらい寿命はあります。」
「棚にしているのはなぜですか?」
「うちでは一番背の低い母に合わせています。」
「なんで梨もやるんですか?」
「とうもろこし、梨、桃を主力の3品に育てようと思っています。梨は単価が低く、山梨では作る人が少ないんですが、リスク分散ができるんです。」
「この畑は幸水?」
「はい。豊水も受粉樹として1本植えてありますが、もう一つの畑が豊水のメインです。」

慣れてきたのか、スタッフさんたちの質問が活発になってきた。

くだもの、あるいは同一のくだものでも品種によって、受粉樹というものが必要なことがある。

同じ品種の花粉では受粉せず、他の品種の花粉を受粉して初めて果実を実らす場合があるのだ。
幸水もそのひとつで、豊水の花から花粉をとって、筆などで、一つ一つめしべにつけていくことで初めて果実を実らす。
こういった例は少なくない。
ちなみに、豊水は、受粉樹が不要。
自分の花粉で受粉することができる。
まだ指先ほどの大きさの梨

また、梨はホルモン剤の使用が一般的である。
最需要期であるお盆休みに間に合うよう、成長を促進するためのジベレリンをつける。

ちょうど、小林さんところでは、研修生を受け入れており、その作業の真っ最中だった。


まるで洗濯ばさみが口先についたような歯磨き粉のようなチューブを押し出すと、緑色の薬剤が出て、これを梨の軸のところに付着させる。
一つずつ。


面積的には5反くらいだが、気の遠くなるような作業だ。

「だいたい8月5日くらいから15日くらいに、出荷ですかね。」と小林さん。

続いて、すぐ隣の桃畑も見学。
桃はまだ幼木が多く、小林家の確固たる収入源にはなっていない。
桃栗三年柿八年。
とうもろこしと梨と桃の3本柱が確立するのはまだもう少し先の話になる。

だが、小林さんはもう一手打ってある。
それが、加工だ。

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