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雨上がりの嬉野(うれしの)。

「うわあ~ なんか空気感が違う。」

雨上がりだから、なのだろうか?
太田さんの軽トラを降りると、マイナスイオンが、がっと全身を包んだ。

「いつもこんな感じなんですか?この空気、っていうか・・・?」

「う~ん、そうですね、こんな感じかな。ちょっと湿度はいつもよりあるかもしれませんが。」

佐賀県 嬉野(うれしの)。

りょくけん茶が生まれる茶畑は、気温もキンとなっていて、今朝まで降っていたという雨の湿度もあって、空気をいっぱい吸い込みたい、そんな環境にあった。

生産者は太田さん。
私と同世代の若手の農家さんだ。

お父様の代からのお付き合いで、りょくけん創業者の一人、故 永田 照喜治(てるきち)ととても懇意にされていた。
40年ほど前になる。

照喜治さんが、茶葉の栄養分を無駄にすることなく全部、体に取り入れる手段として、茶葉を粉末にした粉末茶の開発を画策していた。
茶葉をすべて体に取り入れる、という考えは、ひとつ難しい課題があった。

農薬である。

茶葉は、とてもたくさんの農薬を使用する。

それには主にふたつの理由がある。

ひとつは、茶葉の等級の問題で、摘んだ時期も反映されるが、茶葉のきれいさも重要なファクターになる。
虫食いがあってはいけないから、農薬散布が多くなる。

もうひとつは、農薬の残留基準が高い。
茶葉は、それそのものを体に摂りいれる訳ではない。
あくまで葉から出た抽出分を体に摂りいれるから、農薬の残留基準は、その"希釈"したところを基準に定められているのだ。

そのために、農薬漬けになった茶葉では、粉末はできない。
一般の野菜の十数倍の基準値だからだ。

だから、照喜治さんは、無農薬で栽培している人、あるいは、無農薬で栽培してくれる人を探していた。

それに呼応したのが、太田さんのお父様だった。
小さい頃から、農薬に体が反応し、体調を崩すことが多かったという太田さん。
農薬を使わないで育てることに賛同した。

1年目からいきなりできたわけではないが、3年目からは安定してきて、化学合成農薬を一切使用しないお茶が出来た。

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