あけぼの大豆。

前々週末は山梨に居た。
山梨県に身延(みのぶ)というところがある。
日蓮宗の総本山 身延山久遠寺(みのぶさん くおんじ)がある町だ。
山梨ではやや南部と言われるほうに位置する。

お寺の影響があったからか、湯葉(ゆば)が有名で、そのためか、身延町内のあけぼの地区で代々伝わる在来種の大豆があった。

在来種、あるいは固定種といわれる品種は、品種特徴が、種ではなく、その環境に由来するもの。

要は、人工的に、ある品種とある品種を掛け合わせて改良された品種ではなく、その土地で代々種取りを行いつないできた。

伝統品種で、他の土地で育てても、似たような特徴にならない。

通称「あけぼの」と言われる大豆もそのひとつなのである。

この大豆、糖分含有量が多く、とても甘い。
大豆の未熟果が、枝豆なのだが、その枝豆もまた甘くてうまい。

ただ、最需要期には、収穫ができない。
旬が夏ではなく、残暑厳しい9月でもなく10月の中旬、しかも2週間程度という短い時期しかないのだ。
だからこそ、あんな優秀な大豆は、県内のみでしか流通せず、この豆を専門に、生業として栽培する人はいなかった。

そこに目を付けたのが、藤尾さんだった。

藤尾さんは、広告代理店に勤め、そんなに大きな規模でない企業だったので、ありとあらゆることをした。
営業から、ディレクション、実際に広告をデザインしたり、印刷したるしたこともあったようだ。
民間の企業を辞めた後、NPO法人を立ち上げた。

あることをきっかけに、NPOもやめて、現在の活動=あけぼの大豆を中心とした事業に携わるようになったという。

専門に作る人がいない。

流通量が少ない。

それならば、一つの方向に向かって、束ねて、規模を大きくしてみたら、どうなるのだろう?

点在する小さな畑で、自家用に作っていた枝豆を、初めて本格的に=ある程度の規模で栽培を始めたのである。

「ゆばの里を目指してきてください。その隣の豊岡小学校です。」と短いショートメッセージが携帯に入った。

小学校で待ち合わせ?

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