マル秘展に行ってみた3。手書きのコンセプトワークがすごい。デザインって何?を突き詰めている。

次のブースは、内藤 廣さん(建築家)。
展示も格好良いのだが(岩宿の博物館のデザイン画)、このあたりの方から、コンセプトワークというか、図示された構想のメモみたいなものが多くなっていく。
メモだから、そのすべてが、”手書き”なのも興味深い。
気になっていた、”デザインとは何か”も書いてある。
”デザインとか建築と言ったたぐいのものは、突き詰めていくと、ヒトとモノをつなぐものだ”
”そして、デザインが、よりヒト寄り、建築は、よりモノよりなんだと思う。”
と結ばれていた。

佐藤卓さんは、デザインは気遣いだ、と定義づけていて、それも一つの解だと思うけれど、ヒトとモノをつなぐもの、も素敵だと思った。
要は、そのモノに興味を持つか、買うか、使うか、読むか、など行動を決めるとき、ヒトはデザインによって、かなりの割合を見るのだ。

コンセプトワークと言えば、原研哉さんもすごかった。
しかもやっぱり手書き。
これをフリーハンドで書き込むなんて、本当にすごい、、、
理解できる図とできない図とあったけれど、すごい人だなあ、とじっと読んでいたら、松屋の社員さんに声を掛けられ、
「松屋銀座店の外装デザインをされた方ですよ。」とのこと。
「さっきまでそこにいたんですけど。」
はっと思って、作者の紹介のパネルに目をやると、確かに見覚えがある。
私が展示場に入ったばかりのときに、壁面のブースを見ていた方だ。

「和装の女性を連れていらしてた方ですね!」
「そうそう、そうですよ。」

そういわれてみると、女性の方は熱心に見て、声掛けしていたけれど、白髪の男性の方=原研哉さんは、「ふーん」という程度であまり興味をしめさないように努めていた。

グッドデザイン賞の審査員も務めるようになって、改めて、デザインとは何か?賞の基準は何か?と考えている図面もあった。

そして13番目。
いよいよ佐藤卓さん。

キシリトールや明治 おいしい牛乳のパッケージ、NHKの教育テレビのロゴデザイン。
そして息子たちも大好きな「デザインあ」の監修を行っており、さらには松屋銀座のデザインの監修も現在担当している方である。
デザインあの企画をする段階でのメモではないかと。
「おお~」とのめりこみ始めたところ、、、

「まもなく閉園のお時間でございます。」と館内の案内らしい男性が連呼し始めた。
18時20分。
1時間半ほどじっくり見させていただいたけれど、26ブースのうち、13番目までしか見られなかった。
後半には、今をときめく隈研吾さん(建築家、新国立競技場や高輪ゲートウェイ駅)や、企画展のディレクターである田川欣哉さんのブースも見られなかった。

後ろ髪をひかれる思いで、広い無機質の展示場を出ると、どうやら軽食も用意してあったらしく、その形跡があり、大きな液晶ディスプレイでは松屋150周年の記念のビデオが流れていた。
横浜で開業した後、東京に進出し(今川橋)、銀座に出店した流れを貴重な映像とともに、解説していた。

出口に向かうと、株式会社松屋の偉い人たちがいて、またまた送迎を受けて恐縮し、また現実に返った。

よおく考えてみると、式典への招待状だったので、企画展示の後の小宴会場のほうが、メインだったのかもしれない。
あそこで、松屋の社員さんや取締役の方々と、お取引先さんが、ゆるりと語らう。

しまった。
また完全に空気を読み誤った…!

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