照喜治さんと私11。
「明日から出しません。安すぎるんです。」
照喜治さんから携帯に電話があり、突然、そのように告げられた。
当時、名古屋のスーパーさんに、りょくけんコーナーができて、少しではあるが、りょくけんブランドの野菜くだものが並んでいた。
照喜治さんにお願いして、バジルとマルオクラを卸してもらい、名古屋に送っていた。
明日も納品があるというのに、突然、断られてしまった。
照喜治さんには、不思議なカリスマ性があって、人々を引き付ける魅力があった。
それこそ、どんなに偉い方にも、「先生」「先生」と呼ばせる雰囲気があった。
有名どころでは、スズキ自動車の鈴木会長や、ドトールの鳥羽会長(当時)も、浜松の畑を訪れ、照喜治さんのことを「先生」と呼んでいた。
一方で、つむじを曲げると、ちょっと大変。
商売も決して上手ではなかったと思う。
プライスレスの人、というか。
りょくけんの、ある種、象徴的な方でもあったので、りょくけん松屋銀座店出店後には、野菜を卸してもらうよりも、値段の付かない、プレゼントとして、照喜治さんの野菜を扱わせていただくことにした。
「集客やファンをつかむために、スタンプカードを導入しなさい。
そして、その景品には、値段のつかないもの、プライスレスなものを選びなさい。」
という次郎社長(当時)の肝いりの命もあった。
りょくけんのスタンプカードは非常に好評で、ユーザーは瞬く間に増え、一冊=25000円分お買い上げにつき、農家さんのご自宅でご自宅用に作っているものをプレゼントすることをウリにしていた。
が、銀座という立地は恐ろしい場所で、すぐさまに一冊たまる方もいらっしゃり、中には一回のお買い物で、たまってしまう方が、何人かいらっしゃった。
当初、「農家のおすそ分け」というサービスで、スタンプカード一冊たまった方に照喜治さんの野菜をお届けした。
すぐさま「おすそ分けではなく、お福分けとしなさい」という厳命も、次郎さんからいただいたっけ。
だが、配送料だけで500円以上かかることからも、一冊の景品ではなく、2冊満点の景品に改めた。
それでも大好評で、1月に100件ほど出荷していた時期もあったほどだ。
バジル、マルオクラ、なす、赤玉ねぎ、葉玉ねぎ、坊ちゃんカボチャ、タケノコ、スダチ、乾燥カモミール、へちま、へちま水 etc...
すぐにスタンプが貯まる方対策?で、農家の”訪問権”もスタンプカード10冊分で提供した。
北海道でも、宮崎でもお好きな農家さんを案内しますよ、という権利。
ただ、最寄りの駅までは自費で来てくださいね、という条件付き。
これが、結構な人気で、私自身も何人も産地をご案内した。
「やっぱり永田先生に会いたい!」
会いたい農家さんのご指名をいただくと、十中八九、照喜治さんが指名された。
特に、2005年に浜松に近い菊川にルーツファームを立ち上げると、ルーツファーム見学と照喜治さんを訪問するコースが当たり前になっていた。
ルーツファームは、ハウス17棟、14ヘクタールから成るトマト農場で、文字通り、最高のトマトができていた。
永田照喜治をして、「東洋一の設備」と言わしめるほどの農場だった。
照喜治さん自身、その農場について非常に誇りをもっていたように私には感じられた。
また、照喜治さんは、自身では、三方原台地の一角に1ヘクタール以上の露地の畑を購入し、様々な作物を作り始めた。
会社のすぐ裏だったので、私も1か月に一回くらいは遊びに行ったものである。
NHKと糸井事務所がタッグを組んだ「誰でも作れる永田野菜」のDVD10巻の撮影時期でもあり、私の知る限り、最も照喜治さんが乗っていた。
りょくけんの販売スタッフも、東京から研修に連れて行ったし、前述のごとく、お客様も頻繁にお連れした。
照喜治さんは、誰かしら訪ねてくださるのが、本当にお好きで、いやな顔一つせず、いつも笑顔で出迎えてくださり、抱えきれないくらいの野菜をお客様に持たせてお帰りいただいていた。
それはそれは満足度の高い、サービスであった。
振り返ってみれば、照喜治さんと私が、一番良い関係が築けていた時期かもしれない。
照喜治さんから携帯に電話があり、突然、そのように告げられた。
当時、名古屋のスーパーさんに、りょくけんコーナーができて、少しではあるが、りょくけんブランドの野菜くだものが並んでいた。
照喜治さんにお願いして、バジルとマルオクラを卸してもらい、名古屋に送っていた。
明日も納品があるというのに、突然、断られてしまった。
愛知県内のスーパーで照喜治さんのオクラやバジルを販売 |
照喜治さんには、不思議なカリスマ性があって、人々を引き付ける魅力があった。
それこそ、どんなに偉い方にも、「先生」「先生」と呼ばせる雰囲気があった。
有名どころでは、スズキ自動車の鈴木会長や、ドトールの鳥羽会長(当時)も、浜松の畑を訪れ、照喜治さんのことを「先生」と呼んでいた。
一方で、つむじを曲げると、ちょっと大変。
商売も決して上手ではなかったと思う。
プライスレスの人、というか。
りょくけんの、ある種、象徴的な方でもあったので、りょくけん松屋銀座店出店後には、野菜を卸してもらうよりも、値段の付かない、プレゼントとして、照喜治さんの野菜を扱わせていただくことにした。
「集客やファンをつかむために、スタンプカードを導入しなさい。
そして、その景品には、値段のつかないもの、プライスレスなものを選びなさい。」
という次郎社長(当時)の肝いりの命もあった。
りょくけんのスタンプカードは非常に好評で、ユーザーは瞬く間に増え、一冊=25000円分お買い上げにつき、農家さんのご自宅でご自宅用に作っているものをプレゼントすることをウリにしていた。
が、銀座という立地は恐ろしい場所で、すぐさまに一冊たまる方もいらっしゃり、中には一回のお買い物で、たまってしまう方が、何人かいらっしゃった。
当初、「農家のおすそ分け」というサービスで、スタンプカード一冊たまった方に照喜治さんの野菜をお届けした。
すぐさま「おすそ分けではなく、お福分けとしなさい」という厳命も、次郎さんからいただいたっけ。
だが、配送料だけで500円以上かかることからも、一冊の景品ではなく、2冊満点の景品に改めた。
それでも大好評で、1月に100件ほど出荷していた時期もあったほどだ。
バジル、マルオクラ、なす、赤玉ねぎ、葉玉ねぎ、坊ちゃんカボチャ、タケノコ、スダチ、乾燥カモミール、へちま、へちま水 etc...
すぐにスタンプが貯まる方対策?で、農家の”訪問権”もスタンプカード10冊分で提供した。
北海道でも、宮崎でもお好きな農家さんを案内しますよ、という権利。
ただ、最寄りの駅までは自費で来てくださいね、という条件付き。
これが、結構な人気で、私自身も何人も産地をご案内した。
「やっぱり永田先生に会いたい!」
会いたい農家さんのご指名をいただくと、十中八九、照喜治さんが指名された。
特に、2005年に浜松に近い菊川にルーツファームを立ち上げると、ルーツファーム見学と照喜治さんを訪問するコースが当たり前になっていた。
ルーツファームは、ハウス17棟、14ヘクタールから成るトマト農場で、文字通り、最高のトマトができていた。
永田照喜治をして、「東洋一の設備」と言わしめるほどの農場だった。
照喜治さん自身、その農場について非常に誇りをもっていたように私には感じられた。
また、照喜治さんは、自身では、三方原台地の一角に1ヘクタール以上の露地の畑を購入し、様々な作物を作り始めた。
会社のすぐ裏だったので、私も1か月に一回くらいは遊びに行ったものである。
NHKと糸井事務所がタッグを組んだ「誰でも作れる永田野菜」のDVD10巻の撮影時期でもあり、私の知る限り、最も照喜治さんが乗っていた。
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りょくけんの販売スタッフも、東京から研修に連れて行ったし、前述のごとく、お客様も頻繁にお連れした。
照喜治さんは、誰かしら訪ねてくださるのが、本当にお好きで、いやな顔一つせず、いつも笑顔で出迎えてくださり、抱えきれないくらいの野菜をお客様に持たせてお帰りいただいていた。
それはそれは満足度の高い、サービスであった。
振り返ってみれば、照喜治さんと私が、一番良い関係が築けていた時期かもしれない。
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