ミニトマトの品種事情2 ~いちごトマトの誕生~

りょくけんの考え方、すなわち原生地の環境に近づけて栽培すると、野菜くだものは本来の力強さを取り戻し、丈夫にも美味しくもなる、という考え方でトマトをつくると、糖度が一般の倍にもなり、甘く美味しくなる。

だが、一方で、皮が堅くなり、敬遠される。
一般的に、トマトは花を咲かせた後、30日程度で収穫可能になる。
が、前述したように、原生地の環境=水分をあまり与えないで育てると、収穫に要する時間が長くなり、50~60日になる。
その間、ずっと日を浴びているので、どうしても皮は固くなる。
これが長年のフルーツトマト全般にかかわるウィークポイントとなってきた。

それを解決する一つの手段が、トマトベリーだ。
皮が薄く、果肉が厚くて、皮と一体感がある。

そのため、皮の固さが気にならず、口の中に皮が残りにくい。

これに着目して、ルーツファームで栽培を始めた。
これが、りょくけんの栽培方法によく合致し、とても食味が良く、たちまち人気商品になった。

開発したトキタ種苗でも、ドイツで行われた品評会で、世界3位を受賞。

この人気が、プラムトマト(品種名:セラフィーノ)を作らなくなった理由だった。

さらに転機が訪れる。

トマトベリーを作る農家が増えたが、収穫量を重視し、食味がまったく上がらないものが流通してしまった。

りょくけんのトマトベリーとほかのトマトベリーの味が違う。
では、もう違う名前を付けよう、という流れになり、安直であるが、「いちごトマト」という名称を付けることにした。

これが現在の大人気商品「いちごトマト」の誕生の由来である。

夏は、北海道余市の中野さん、冬は、大分杵築の山崎さんという2大名人が作るようになり、さらにその人気は安定した。
中野父子

山﨑さん
今は冬作の旬を迎えており、とても食味が良い。
ぜひ、目にしたら一度は食べてほしい。おすすめだ。

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