黄金柑(おうごんかん)という柑橘。

「いっぱい珍しいものがある~。これは酸っぱそう~ 黄色の金柑(きんかん)だって~」

ここにきて、黄色の皮の柑橘が多くなっている。
この時期まで木にならせておくと、オレンジ色の柑橘は、すべからくヒヨドリにやられてしまう。
黄色の果皮の柑橘類は、鳥の目には映らないのか、害が少ない。
その中でも、ひときわ小さく、お客様が目をとめるのが、黄金柑(おうごんかん)。

金柑(きんかん)ではない。

「どんな味なの?」

「一言で言えば、”甘いレモン!”です。」

「へえ~買って行ってみるか。」

新しい品種かといえば、そうではない。
鹿児島県で19世紀初めに”発見”された品種。
皮の剝きやすさは、オレンジ並み。くし形にカットしてから食べたほうが、剥きやすく食べやすい。
ピンポン玉くらいの大きさで、農家さんにとっては、収穫が大変であまり好ましくない。
種は通常多い。黄金柑から生まれた”湘南ゴールド”はやや種が少ない。
果皮が黄色だと、レモンやグレープフルーツを思い起こさせ、酸っぱそうに見える。

年明けの柑橘の収穫は、総じて早く取り過ぎている感がある。
ヒヨドリに食べられてしまうからと、”ス上がり”と言って、寒に当たって水分が抜けてしまう危険性があるのと、外観が悪くなる。
また、市場にないときに出荷ができれば、高値が期待できる。

渥美さんの黄金柑は、酸味もあるが、糖度も高く、香りもフレーバーもとても良い。
1月下旬に収穫することが多いのを、なんとかお願いして、4月上旬まで木にならせてもらっている。
風であおられた分、傷がつくのと、鮮やかだった黄色が、ややくすんだような色になる。
でも、これが美味しい。糖度で3度くらい違う。
1月に収穫すると11度そこそこで酸味が目立つ。
4月に収穫したものは15度を超えてくる。

ここにきて、「これ美味しいのよね。」と一つ二つと買って行く方が多くなった。
次第に酸味も抜けて※、ますます美味しくなる。

期待大の柑橘だ。

ちなみに、この黄金柑とクレソンを合わせたサラダも極めて美味しい。
私も手伝ったことがあるのでよく分かっているのだが、厨房のスタッフさんは皮むきが大変なのだが、黄金柑の酸味と新玉ねぎの甘みに、オリーブオイルと塩を加えただけのシンプルな味付け。酢は加えない。

こちらのほうがお客様に覚えられているのか、

「あ、今年も始まったのね。」と買ってくださる。

お惣菜も生果も、とってもおすすめの柑橘だ。
5月いっぱいは提供できると思う。

■黄金柑(おうごんかん) 1袋 648円(税込)
■シトラスかおるクレソンのサラダ 100gあたり 411円(税込)

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