ありがたいひとこと。

松屋銀座の屋上は、天気が良いと気持ちが良い。
春休み。
銀座店でもお子様連れのお客様が多い。

お母様と6歳くらいの娘さんが、どのお惣菜を買うか悩んでらっしゃった。

「ポテトサラダが良いんじゃない?好きでしょ。」
「…。」
少し悩むが早いか、

「コールスローが良い!」

と元気よく答えてくれた。

「ポテトサラダじゃなくて良いの?本当に?」
「今日はこれが美味しそう。」

野菜ハンバーグ弁当とコールスローをお買い上げいただいた。

「食べられる場所はどこでしたっけ?」

松屋銀座は、イートインスペースが少ない。
三越銀座や、東急プラザ銀座、マロニエゲートなど最近できた商業施設には、店内で購入したお惣菜を食べられるよう、イートインスペースが広くとってある。

外国人観光客が多く、店内で食べたい方が増えていることもあるが、
ややオーバーストア気味(=店舗過剰)※で、誘致できるブランドに限りがあり、テナントのスペースを埋められなくなってきている事情も垣間見える。

松屋は、地下2階のエスカレーター裏と、15時以降であればりょくけんと同じ地下1階の奥の場所に10席程度のスペースがある。

「今の時間帯ですと、このもう一つ下の階にあるのと…」

今日は少し暖かい。

「あ、屋上が良いですよ。今日なら暖かいですし、気持ちが良いと思います。あちらのエレベーターからすぐ上がれますし。」
とご案内すると

「あ、そうね、あそこが良いわね。外に出る手前のテラスみたいなところで食べましょ。」
すでにご存じのようで、思い出したのか、娘さんもご納得されたようだった。

屋上にあるテラス席
「おにいさんの頭につけているの、トマト?」
りょくけん松屋銀座店では、現在、販売スタッフの頭に巻く三角斤を、トマト柄にしている。

「そうだよ。」
「かわいい~」
「有難うございます。おねえちゃんは、野菜が好きなの?」と聞くと、
「大好き!生のトマト以外は全部好き。」

弊社にとってはやや複雑な回答だったが、気持ちよくお買いものしていただけたようだった。
都会の真ん中の屋上だが、神社もある。

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2時間ほど経った頃だろうか。
少し遅めのお昼休憩をとろうと、売り場を離れようとしたところに、背後から声をかけられた。

「おにいさん、おいしかったよー」

振り返ると、先ほどの二人組のお客様だった。
にこにこしながら、手をつないで、さわやかに私の横を通り過ぎて行った。

なかなかのレイディー。

「社長、なんか嬉しそうですよ。」と副店長。
「”おにいさん”って呼ばれたからですか?」

「あ、いや。

『野菜が好き。』

って言われたもんで。」

ま、おそらくは両方。
自然とニコニコしてしまうのだった。

※人口や需要に対して、売り手である店舗のほうが多い状態のこと。新しくオープンする商業施設であれば、独自性を求めてブランドを探すので、ますます出店するブランドが限られる。

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