柑橘考察2020 ~国産グレープフルーツ2~

初めて、目にした、貴重この上ない、国産のグレープフルーツ。

だが、うまくない。。。

「酸っぱい…。」
「後味が苦いっすね…。」

糖度を測ると9度だった。

先に紹介した、高糖度系のオレンジみかんであれば、糖度15度くらいになる。
糖度が上がりづらいと言われる普通のみかんだって、12度くらいになる。

国産だから、糖度15度くらいになって、ジューシーで苦みがなくて、きっと美味しいのだろう、と勝手に想像していた、舌の感じは完全に裏切られた。

独特の苦みの正体はナリンギンと言うポリフェノール。
他のブンタン類には、含まれないグレープフルーツ独特の味はこの成分から生まれる。

「日本ではやっぱり積算温度が足りないんだな。」

ぽつんと、当時の上司が言う。

「じゃあ、どうすれば改善できるんですか?」
「ハウスか、どんなに落果しても、樹上で遅くまで完熟させとくんだな。」

ただ、それには問題がある。
ハウスはたてるのに当然、お金が要る。
遅くまで気にならせておくと、歩留まりが悪くなる。
外観も悪くなるし、何より、実が落ちる。
もしかしたら、ス上がりもしてしまうかもしれない。

優位性は、やっぱり国産であること。
海外産のものはもれなく、イマザリルやチアベンダゾール(TBZ)という防カビ剤が塗布されている。
何カ月もかけて日本に入ってくるのに、日本に着いてからも、一向に傷まない。
怖い話をすれば、イマザリルもチアベンダゾールも発がん性物質である。
皮に塗布するわけだが、体に影響がないとは言えない。

翌年も、国産グレープフルーツの食味はそこまで上がらなかった。

ところが、2019年。

昨年から、かなり美味しくなってきたのだ。
糖度はあまり変わらないのだが、酸味が穏やかになり、食味が上がった。

「木が大きくなってきたからね。」と渥美さんが言う。

例の苦み成分「ナリンギン」は、脂肪酸を燃やす作用もある。

国産グレープフルーツの実力をぜひ試してほしい。

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ジュースもある。

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