ホワイトアスパラガスの話2

ところで、ホワイトアスパラガスはどのように育てるのかご存じだろうか。

そのままにしておいて、アスパラガスは白くなるわけではない。
長ねぎの白い部分同様、日光を遮ることで、遮った部分は白く育つ。

アスパラガスも同様で、”軟白化”全体を光が差さないようにすれば良い。
一般的な植物は、日光が無いと育たないが、アスパラガスは、簡単にいうと、”芽”なので、水と温度があれば芽吹く。

古くからのやり方は、土寄せ。
アスパラガスが芽を出しそうなところに、土を盛っていく。
こうして遮光して、白く育てる。
葉緑素を持たない軟白ものは、多くのものが甘く育つから不思議だ。

以前は、日本でも盛り土で育てていた。
ただ、土がつき、それを洗い流すときに、うまみが流れてしまう、という指摘があった。
創意工夫で、もみ殻で周りを埋めるようになり、強く洗い流さずに済んだ。

10年ほど前から、筒をアスパラの一本一本にかぶせるやり方が提唱された。
配管のパイプを切り取ったようなものをかぶせる方法。
芽が少し出てきて、太めのものが出そうと判断した時にかぶせる。
無駄がないやり方のようにも見えたが、この方法は広まらなかった。

代わって、ハウスごと黒いビニールで覆うやり方が考案された。
日光を遮断するやや厚めの黒ビニールでハウス全体を覆う。
そこでできるアスパラはすべてがホワイトになる。
この方法の弱点は暑くなってきた頃。
黒いビニールで覆われたハウス内は恐ろしい温度になる。
側面を黒いネットにして、風通しを良くする工夫もあるが、温度上昇はかなり厳しく、ハウス内に1時間と収穫に入れないのが悩みだそうだ。

りょくけんで今販売しているホワイトも、このハウス全体を黒ビニールで覆うやり方。
人体への負荷は、早朝に起床して早い時間に収穫することでカバーしている。

グリーンよりもホワイトアスパラガスのほうが高値で取引されるのはこの手間暇のためだ。

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