三浦半島の先っぽで2。


「おお~相変わらずきれいですね~!」

ちょうど、午前中に収穫を終え、地下水で洗って選果し、軒先にコンテナを並べて、野菜を乾かしているところだった。

赤や紫、緑に白、大小様々な大根やかぶ、ラディッシュがあり、とてもきれいだった。
海から潮風が吹き込むためか、ミネラル分が豊富で、色のある野菜が、青木さんのところはとってもきれいに仕上がる。
これが、色が出ない産地は出ない。

「じゃあ、ちょっと畑を回らせてもらってよいですか?」
「はい、どうぞ~。」

青木さんのご自宅から、坂道を上がって行って徒歩5分くらいのところにメインの畑群がある。
実は、もう少し離れた、海にもっと近いところにも畑はあるのだけれど、そこは車で行く必要がある。

坂を上がりきったところからは相模湾が見え、海の向こう側には丹沢の山々と、空気が澄んでいれば、富士山が見える。
天気も悪く、朝まで雨が降っていた影響もあり、残念ながら富士山は見えなかった。

畑には、まずは赤軸ほうれん草。
次の区画には、ほうれん草。

東洋系の剣先が鋭いタイプのほうれん草。

次の畑は三浦大根。
一見同じような大根の葉っぱが並ぶが、微妙に色合いが違う。

息子たちに解説。

「この葉っぱの色とこっちの葉っぱの色と違うでしょ。こっちは白い大根だけど、こっちの葉のだいこんは何色か、見てみ。」

「あ、緑だ~」
「そう、ビタミン大根(品種名)だね。ここは普通の大根かなあ?次は、お。葉の軸の色が違うでしょ。」
「本当だ、赤い。」
「これは、紅くるり大根かな。」

後で聞いたところによると、真ん中の普通の大根だと思ったところは、紅芯大根だった。
紅芯大根は畑に合う、合わないがとても強く出る大根で、ここ何年か、虫食いがひどかったり、割れてしまったりして、まったく拝むことがなかった。
紅芯大根は、中国が原産であり、種が改良されずに販売されている。
そのためか、日本の気候にあまりフィットせずに来ており、不作が続いた。

今年は今のところ、順調に入荷しており、しかも美味しい。

ちなみに、緑のビタミン大根も赤い大根も、総じて辛い。

紅芯は、かなり甘みが強い。
他の農園では、たいてい辛いのだが、青木さんの紅芯大根は、甘い。

何年か前に訪ねた時には、キイチさんは冬のスイカと言って、マサエさんは柿だ、夫婦で言い合っていたっけ。
食感的には、柿に近いかもしれない。
鮮やかな紅色は、確かにスイカにも近い。

それくらい甘さがある。

紅芯大根は、丸い形をしているので、よくかぶに間違えられるが、大根の仲間である。
かぶと大根の違いは、葉の形の違いで見分ける。

「かぶの葉っぱのほうが丸みがあって、大根はギザギザ。切込みがあるでしょ。まあ、あとかぶができるところと大根ができるところとちょっと部位が違うんだけどね。」

食用にされるかぶがなる部位は、青首大根で言うと、青くなっている部分。
かぶは、地上に生るのだ。

「そういえば、この大根の葉っぱは美味しいんだよ。食べ見てみる?」
生長点のところを少しちぎって、長男と分けた。
二人でむしゃむしゃ。

「うま~い。」
「美味しいね。ちょっと最後に辛みがあるか。」
「うん、でも美味しい。」


「これはなに~?とーちゃん!」
少し離れたところから次男が叫んでいた。

大根の畑に続く場所にはラディッシュがあり、その向こうには枯れた切り株が3列くらいあった。
前回来た時には、プチベールやケールがあったような、、、

「うーん、分からない。。。」
ラディッシュ。

「とーちゃん、なんかとれちゃったー!」
振り返ると、長男がラディッシュを引っこ抜いてしまっていた。
ラディッシュは収穫しごろのものは、非常に簡単に収穫できてしまう。
覗いていたら、軽くとれてしまったようだ。

「そこにそのまま置いておくと傷むだけだから、持って行って、青木さんに謝ろう。」
「ごめんなさい。」と長男。。。

小屋があって、その向こうにはにんじん畑。
一応すべて同じに見えるが、赤、オレンジ、紫の3色は植えているはず。
「え~これはパセリじゃないの?」と長男が言う。
「似てるよね。パセリも人参も同じ仲間だからね。セリ科なんだよね。」
四男の手を引っ張って、畝を歩く長男。人参の畑にて。

「良いね~お父さんと一緒なの?」
道すがら、四兄弟に見知らぬ方たちが、順番に声をかけてくれる。
男の四兄弟+父親は、正直言って目立つ。

「次のところ行こう。この奥にハウスがあるんだけど、台風で倒れちゃったらしいんだよね。。。ちょっと確認しておこう。」

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