千曲川氾濫のその後。

長野のりんご農家、成田さんと電話でお話しした。

台風19号の影響で、千曲川が氾濫。
近隣地域では浸水被害があった。
平常時の千曲川

成田さんのりんご畑、自宅、選果場も浸水。
ご自宅も、2mまで浸水したというから、絶句する。
雨の中、成田さんは地元の消防団の一員として、一軒一軒訪ね、避難を誘導したというから、頭が下がる。
ご家族はすでに避難していてご無事だった。

1年かけて育て上げたりんごが収穫も出荷もできないのは、りんご農家にとって、どれだけ無念なのだろう。

一蓮托生のりょくけんにとっても大きな問題。
お客様からのお問い合わせもある。

気が引けたが、思い切って電話して聞いた。

「今年はりんごは出荷されますか?」
「もう、一切やめようかとも思っていたのですが、山の上にある畑だけは無事だったので、そこのフジだけは出そうかと。」
「じゃあ、プレミアムスイートとかグラニースミスとか、蜜入り紅玉は…?」
「水に浸からなかった上のほうには、確かに果実がなっているんですが…」

成田さんによると、川の水や泥に浸かった中ほどまでの枝の果実は、収穫できる状態ではないという。
上部になった果実は無事にも見えるが、出せないらしい。
はねた泥が軸からくぼんだ所には入り込んでいて、かなり汚れているとのこと。
行政から、大腸菌などの繁殖があり得るので、出荷しないように、と指示が出ているらしい。

「洗ってみたんですが、確かに落ちないんですよ。」と成田さん。

ここ数年、大ヒットだった蜜入り紅玉、プレミアムスイート、グラニースミスといったりんごが、無い。

「来年は大丈夫ですから。」

私と成田さんはほぼ同年代。
もう気持ちを切り替えて、前向きで、私よりもずっと声が元気だ。

「あ、、はい。じゃあ、僕も来年また頑張って販売します!」と言葉をひねり出した。

その言葉に、偽りはない。

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