褒められるって嬉しい2。

 「衆院議員の阿久津と申しますが。」


東京商工会議所に入会したり、補助金、助成金のお世話になると、政治には敏感になるものだ。

政治家のポスターにも自然と目が行く。


そういえば、ポスターで見たことのある方だ、と思った。

そういえば、何某かアンケートが来ていたので、返信した覚えがある。

東商や中小企業庁からのアンケートは結構来るので、、、

諸事情あって遅れても、返信するようにしている。


どれだけ私が感謝しているか伝えるのも、行政へのフィードバックになるかもしれない、と思っているからだ。


なしのつぶての場合もあるけれど、私の返信に対して、さらにフィードバックをしてくれることもある。


阿久津議員と名刺交換し、秘書の方の名刺もいただき、扉の向こう側にいた方は、インターンだそうで、3名を紹介された後、立ち話で本題になった。


「いやですね、先日、提出していただいたアンケートの内容がとても良くて、”良くて”というのもなんですね、よく分かってらっしゃると思って、本日、お会いして実際、現場のお話を伺いたいと思いまして。」


「そういえば出しましたね、アンケート。」と冷静を装う。


「雇用調整助成金もちゃんと活用していただいて。やってくれない経営者さんが多いんですよ。」

「え?」


雇用調整助成金の申請は、従業員を抱える企業の場合、絶対やらなければいけない。

でないと、生き残れない。


当初、少し難易度が高かったけれど、それでもやろう、と思っていたら、簡易化された。


「あれだって、簡易化されたんですし、やらないと生き残れないです!」


「そうなんです。給付金もちゃんと申請してくださって。」

「あれは、涙が出ました。本当にやばかったんで。申請して二週間で入金があって、感謝しても感謝しきれないです。」

「あ、それはもう、模範ですね。二週間で入金があった会社さんは、稀有、レアケースです。」


どうも阿久津議員は、中小企業担当で、受付をしている事務方さんのほうの担当のようだ。


「あとは家賃支援給付金ですね。」

「そうなんです、家賃と人件費さえちゃんとやれば良いはずで、売上がないなら、原価も通常はかからないので、その二つの大きな固定費を何とかすれば、良いはずなんです。」

「あ、もう本当に良い経営者さんですね。模範的な、良い経営者さんです。」


「え、いやそんなことないです…。全然です。」


普段、嬉しいこともあるけれど、つらいことのほうが多い気がする。

私の後ろでは、スタッフさんがお客様の電話を受けたり、せっせと出荷を進めている。

でも、変に黙ってたりするのが、むしろ、こちらの様子を気にしているのが分かる。


秘書さんから「IT補助金が落ちたのはどうしてですか?」と聞かれ、さんざん褒められて高揚していたのが少し落ち着いた。


「う~ん、あれは不採択の理由は教えてくれないんですよ、メールが一本来ただけで。でも、下世話な話をすれば1/2しか出ませんし、何か他の手段を考えます。」


通販のシステムが古い。

軽減税率に対応していないので、新しいシステムを入れて効率化を図りたいのだが、不採択だった。

でも、制限も多くて、申請している途中で、少し疑問の沸く補助金だった。


15分くらいだろうか、立ちっぱなしでお話をした後、阿久津議員と秘書さんたちは帰っていった。


「今日は実地の貴重なご意見を頂いてありがとうございました。」

出典:立憲民主 号外

うわあ。。。


お世辞にも事務所は立派ではない。

木造築50年。

取り壊しも決まっている、この建物に、よく訪問してくださったものだ。


ここ数カ月の厳しい環境をやりぬいた自分を褒めてもらった気がして、ふわふわした。

(あ、いやまだ、厳しい環境なのだが…。)


議員さんたちを見送った後、事務所に戻ると、スタッフさんたちが、


「褒められまくりだったじゃないですかあー!」


とニコニコ笑顔で言ってくれたのが、何より嬉しかった。

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