中晩柑類の王様。

ポストみかん。
極早生みかんが9月に始まり、早生みかん、中生、晩生のみかんの収穫がおおよそ12月中に終わって、それを保管しながら販売する。
だいたい2月にはみかん販売は終わる。

そこからは、群雄割拠の時期。

様々な雑柑類が生まれて、覇を競っていると言って良い。

毎年、新しい品種が生まれている。

その中でも、歴史があり、最も評価を得ているのは、デコポンこと不知火(しらぬい)だろう。

私もSKIPのとき、初めて食べたときの感動は今も忘れない。
見た目は、果梗部分が出ている、特徴的な恰好。

皮をむくと香りが素晴らしく、そこらじゅうに、かぐわしい香りが広がった。
食べても美味しい。

種はなく、内袋は薄くて、食べやすい。

オレンジのようでいて、どちらかと言うとみかんに近い果肉。
少しサクサクしたような食感もあって、とても美味しかった。


この、不知火。

開発当初はまったく見向きもされなかったというから面白い。
特徴であるポンと出た部分が箱にあたって傷がつき、そこから傷む。
ポンと出た部分には何も入っておらず、非効率的だ、と。

そして、収穫当初は、糖度も高いが、強烈に酸っぱいため、誤解されてしまった。

再評価を受けたのは、開発された長崎ではなく、熊本県だった。
保管しておいた不知火を食べたところ、とても食味が良く、弱点と見られた形状を逆手に取り、愛称を"デコポン"とし、糖度基準を設けて(15度以上)、販売。

美味しさと認知しやすい形状から、あっという間に、広がった。
品種名である不知火よりも、熊本県の経済連が名付けた"デコポン"の名前の方が定着した。

農協と話し合って、農協から発送されたものには、デコポンの商標が使えるようになった。

今は、中晩柑類の王様と言って良い。

りょくけんでは、私が15年ほど前に食べた、あの当時と同じく、福岡の森さんの不知火を取扱い続けている。
2月上旬までハウスの中で熟させた不知火は、酸味もあるけれど、ある程度落ち着いていて、当初から美味しい。

これがまた、時が経った今は、味もこなれてきて、しんなりして、美味しい。
カドが取れる、というか。

ものの本には、張りがあってツヤがあるものが良い、なんて書いてあるが、こと柑橘については、少し張りがないようなものの方が、美味しかったりする。

あと一ヶ月くらいは続く不知火。
食べごろが来たかもしれない。

■不知火 福岡県 約1㎏(3玉前後)~
https://www.shop-ryokuken.com/SHOP/40350.html

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