白鳳と白桃。

桃の時期がやってきた。

桃の品種間の差違を紹介したい。

大きく分けて、白鳳系と白桃系に分別される。

■白鳳
白鳳(はくほう)は、白桃の枝変わり。
白桃の早生品種で、露地ものであれば6月下旬から始まり、7月10日頃でおおよそ終わりになる。
特徴は、ジューシーでやわらかな果肉。
"桃"といえば、このイメージとなる。
デメリットは、小玉であること。
おおよそ、ほとんどの産地が、5kg箱という規格の箱に入れて出荷する。
業界では、この5kg箱に入る玉数で、サイズを表現する。
小さければ、数が大きく、大玉であれば、数が小さくなる。
白鳳の場合、18玉くらいが中心になる。
成人のこぶしくらいのサイズで、重さは5kg÷18=277gくらいだ。
もうひとつ言えば、やわらかいので、輸送の事故が多く、中元シーズンではあるけれど、それにはあまり向かない。
もっと言えば、お中元で、事故が起こらないように未熟で収穫してしまうので、食味がいまひとつになることもあるので注意が必要だ。

代表的な品種名は日川白鳳、加納岩白鳳、本白鳳などがある。
日川より早い品種で、千代姫なども出ているが、食味が今一つで、農家さんの間ではあまり人気がない。

■白桃
白桃(はくとう)は7月10日頃から始まり、品種をリレーして8月15日くらいまで続く。
白鳳よりも果肉は固めで、少し追熟させることで、桃らしい柔らかさが出る。
糖度は、白鳳よりも1~2度は高く、15度くらいになる。
晩生なので、大玉になる。
先ほどの業界のサイズでは、15玉クラスが主流になる。
5kg÷15玉=330gくらいだ。
収穫直後は固いので、贈答向き。
まだ固ければ、2~3日、常温においておけば良い。
すぐ、桃らしい歯触りに変化する。

代表的な品種は、浅間白桃、雨宮白桃、白桃など。

なお、福島の桃の代表格“あかつき”は、白桃と白鳳のかけ合わせで、ちょうど、その間に収穫される。

■晩生の白桃
固めの傾向は、晩生になれば晩生になるほど強くなる。
最たる桃品種が、川中島だ。
最晩生品種のひとつで、8月10日前後に始まる品種。
この桃が始まると、今年の桃も終了だなあ、と感慨深くなる。
とても大きく、業界の玉サイズでいうと11玉クラスになる。
年によっては大きすぎて、箱に入らない、なんていうこともあったりする。
大きくて見栄えもして、固いので、贈答に向くのだけれど、固い時期が長いので、
届いてすぐに食べてしまうと、「かぶみたい」なんて言われてしまう。
常温に3~5日置いておくと、桃らしいやわらかさになる。

この類の桃は、川中島、さくら、紅錦香(くにか)などがある。

そんなにむつかしくないので、時期でぜひ判断してほしい。

白鳳 7月上旬 やわらかくジューシー。小玉(270g前後)
白桃 7月中旬~8月上旬 かため。追熟を少しするとやわらかくなる。大玉(330g前後)
晩生の白桃 8月中旬 かため。4~5日追熟させるとやわらかくなる。大玉(450g以上)

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