沖永良部島空港にて。

「ご予約は昨日の16日になってますね…。」
「本当ですか?それってどうにもならないやつですね…。やってしまった、馬鹿だあ。。」

通常、飛行機のチケットは、搭乗日の前であれば、変更が効く。
ただ、私がいつも購入する飛行機のチケットは、通常よりも安い運賃のものを購入しているため、変更は効かない。
ていうか、搭乗日が過ぎている場合は、どうにもならない。

寝不足もあって、頭が回らない。
しかし、どう考えても、変更できる正当な理由が見当たらない。

「確か、席は空いているので、、、あ、大森様、那覇から乗継はございますか?」
「那覇空港から今日の最終便で羽田に行きます。」
「それはどちらの航空会社さんですか?」
「スカイマークさんです、、、」
「でしたら、その日付が、本当に本日かどうか、ご確認いただけますか? 那覇行きの便には、まだ空席はございますので…。」

よく事態が呑み込めなかったが、今一度、ノートパソコンを開き、飛行機の予約を確認。
間違いなく、17日月曜日20時30分那覇空港発のスカイマークの便を予約している。

再度、搭乗カウンターに足を運び、グランドアテンダントの方に伝えた。

「すみません、那覇からの便は間違いなく、今日の予約でした。」
「あ、かしこまりました。では、ちょっとお待ちいただけますか。」

沖永良部島空港、愛称で、えらぶゆりの島空港。

徳之島は、徳之島子宝空港という名称だったが、沖永良部島は、名産のえらぶゆりが枕詞についていた。

待つこと、30分。
いや、もう少し短かったか、、、
15分くらいしたところで、先ほどのグランドアテンダントさんが、席に座っていた私のところまで、いらっしゃった。

「大森様。本日の便お取りできましたので。」
「本当ですか!?そんなことできるんですか!?」
「いえ、本当はできません。ここでできたからといって、次回は絶対できませんし、ご内密にお願いします。」
「あ、わかります、まったくその通りだと思います。でも、本当にありがとうございます!」

と搭乗券を受け取った。
通常ではありえない、道理も何もないことをしていただいてしまった。

とにもかくにも有難かった。
永良部から那覇に向かう飛行機。

ほっと胸をなでおろし、ノートパソコンに向かい、出発まで仕事をすることにした。
15日は給与の締日である。
社員さん含め、スタッフさんたちの勤務時間をまとめ、会計士さんに送付しなくてはならない。
いつもならば、25日が支給日だが、2018年の12月は休みが多く、21日が支払日。
銀行には三営業日前に支給データを登録しなくてはならない。
三営業日前、つまり明日の18日である。

計算していたら、店舗からのデータが来ていないことに気付く。
急ぎ、銀座店に電話して、K氏に送ってもらうように依頼。
K氏はとても頼りになるが、通常の業務でないため、一から指示しなくてはいけない。
「えっとパスワードは、、、」
「え?大文字?え?ピー?いやティー?」

電話では埒が行かない。

「あ、お客様がお待ちなので。。。すみません、また。」
「あ、すみません、かしこまりました。」

12月は繁忙期だ。
見えていないが、電話の向こうでは、お客様も多いのだろう。

そうこうしていたら、搭乗時間になってしまった。

「ごめん、Kさん、飛行機の時間になってしまった!」

そう、メールして、いったんあきらめることにした。
勝負は、また那覇についてから、と思いつつ、そこでも少々無理があることを、知っていた。

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