なぜ、沖縄か。

迷いに迷った挙句、最初に、吉田さんを訪ねることにした。
吉田さんは、代々の農家さんだが、仲卸に勤めていたため、那覇の市場に強い。
売参権といって、市場で、競りに加わることもできる。

独立して、仲卸の会社を興しているが、ここ数年、家業である畑に入って、長なすやトマトを作っている。
ピーマンもずっとお願いしている。

会社は糸満市にあるが、ご自宅は南城市。
空港から40分ほどで着く予定だったが、例によって少し道に迷い、1時間30分かかってしまった。

吉田さんには以前、沖縄南北縦断にお付き合いいただいたことがある。
那覇から最北端の辺戸岬まで、車で走りながら、スイカやトマト、マンゴーの生産者を回った。

その吉田さんが、お父様と一緒に長なすの作付を始めた。
昨年まで、大きく育てて、加工業者さんに卸すのがメインだったが、今期は、私ども用にもかなり作っていただいていて、適度の大きさの長なすが来ている。

迷いながらも、ハウス群のところにたどり着くと、

「ここ、ここ~」と吉田さんが手を振って出迎えてくださった。

「いや~ご無沙汰しています。」
「こちらこそ。」

しばらくプレハブの事務所 兼 休憩室で話し込んだ後、目の前に立ち並ぶハウスの中に入った。

「暑い。」

いわずもがな、長なすは夏野菜だ。
インドが原産で、高温多湿な気候を好む。
日本の気候風土に見事に合致した数少ない野菜の一つで、奈良時代には日本に伝わっていた。
そのためか、各地に様々な固定種が存在し、形、大きさ、色、肉質など多種多様ななすが生まれ、現代に伝わっている。

関東では、中長なすタイプが主流で、築陽2号という大ヒット品種があるが、九州以南は、長いタイプのなすが主流である。
50㎝くらいの長なすすら存在する。

品種特性として、長なすはアクが出づらく、果肉がやわらかい。

ハウスの中に入って、12月中旬だというのに、暑いのだから、十分に現生地の環境を再現している。
温度が高いので、皮のびが良くなり、やわらかななすになる。

水遣りも、灌水チューブが畑を縦横無尽に走っており問題ない。

「今期は、順調ですね。」
「そ~、だね。」
「シーズンの終わりは?」
「5月くらいまで行けるんじゃないかな。」
吉田さん

コメント

人気の投稿