メロンの歴史。

メロンは、砂漠が原生地と師匠から聞かされていたけれど、最近の研究ではインド北部だと言われている。

同じウリ科のきゅうりの原生地については、以前からインド北部、ヒマラヤ山脈と言われてきたから、納得できるところもある。


メロンの祖先は、さほど甘くなかったようだ。


インドから、地中海やアフリカ北部に種が渡った。

エジプトの古代文明やギリシアでも栽培されていたことが分かっている。

本格的に甘い果実のように改良されていったのは、ヨーロッパ南部らしい。

南仏やイタリア南部で品種改良され、甘さが生まれた。


その代表品種が赤肉のカンタロープ。

今でも生ハムと最も高相性のメロンとして、確固たる地位を築いている。


イギリスの王室で更に改良されたのが、アールス・フェボリット。

俗にいうマスクメロンである。


基本的にガラス温室で暖房を焚いて、一株一果で、大切に、大切に育てられる。

香りと、とろけるような食感が特徴である。


東に向かった祖先は、主に瓜として栽培された。

これまた、中国の古代文明でも発掘されているし、日本の縄文時代の遺跡からも栽培の跡がみられるそうだ。

その中で、甘みを持ったのがマクワウリだった。


アジアに伝わったメロンはさらにベーリング海峡もわたり、アメリカ大陸でも進化したようだ。


現在、世界的なシェアを誇るハネデューメロンは、この子孫だ。

主にネットがないのが東洋系。

香りは薄い。



ちなみに、赤肉の夕張メロンの親は、アールス・フェボリットとアメリカで生まれたスパイシーカンタロープという欧州系の赤肉メロンの系統だった。


夕張メロンが生まれた際、東京の市場では、見慣れない赤肉メロンに対して、かぼちゃだ、かぼちゃだと揶揄したそうで、その品質を認めず、さげすんだそうな。

夕張メロン側は、かぼちゃとの掛け合わせではない、と風評を収めるのに苦労したようだ。


とはいえ、、、


メロンの語源を紐解くと、地中海ラテン語のmelonemという単語にあたるらしく、これは、かぼちゃの一種を差す単語だった。

かぼちゃもウリの仲間なので、カンタロープ種がかぼちゃとの自然交雑種だとか、人間が交配させたものなのか、そのあたりはまだよく分からない部分だ。


特徴を言ってしまえば、緑肉のほうが、やっぱりウリに近く、きゅうりのような青臭さがあり、赤肉は、かぼちゃ臭さというか、カロテン臭があり、ニンジンが嫌いな方などは、赤肉品種を嫌う傾向がある。


インドで生まれたウリの原種が、東方と西方にそれぞれわたり、現代では、その二つの系統が盛んに交配させ、優秀な品種が生まれているのは、なんだかおもしろい。


(ちなみに、オレンジでも同じことが言われている)

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