夏に、ごぼうなんて。

「ごぼうが出るのか…。」

九州、鹿児島の南の端っこ。

砂蒸し温泉などで有名な指宿(いぶすき)。
開聞岳(かいもんだけ)と言う活火山を頂き、地温が高い。
サラサラの砂地が広がる地域だ。

かの地で農業を営む湯ノ口さんは、農業生産法人を立ち上げて10年になったと言う。

オクラとスナップエンドウが主力商品。

その傍ら、自らの農業法人から独立して就農した人たちもオーガナイズする。

そのひとつが、サラダごぼう。

ごぼうと言えば、冬だ。
冬の根野菜の代表格。
ささがきにして、味噌汁に入れるだけで、ものすごく出汁が出る。

提案を受けて、ふとつぶやく。

「夏に、ごぼうなんて売れるのかな・・・?」

「私は嬉しいですね。ごぼうがあったら嬉しいです。」

とは、通販の女性スタッフの言葉。

「へえ~。じゃあ、銀座店に入れてみるよ。」

湯ノ口さんとも、SMSでやり取り。

「サラダごぼう、けっこう人気ですよ。」との返信。
「洗いですか?」
「一応洗ってます。」

指宿は、サラサラの砂地だから、肌のきれいなごぼうができる。
海からのミネラルも供給されるから、根野菜の味は、間違いなく良くなる。

”サラダごぼう”とも言うが、”新ごぼう”とも言う。
品種の分類としては、冬の長いごぼうと区別して、”短根ごぼう”とカテゴライズされる。

各地で栽培されていて、どうやら、旬は、今、夏。

冬のごぼうよりも、短いので、栽培期間も短く、夏場の栽培に良いようだ。
短いので、扱いやすく、売場にも並べやすいし、お客様も手に取りやすい。

「生食できるの?」

ごぼうは、冬のごぼうも、サラダごぼうも、生食できる。
だが、栽培者によっては、アクが強すぎて、美味しくない。
要は、肥料の完全消化がポイント。

ごぼうの場合、アクの正体はクロロゲン酸というポリフェノールだから、水にさらして”抜く”よりは、体に取り入れたほうが良い。
酢や水につけるのは、どちらかと言うと茶色に変色するのを防ぎ、きれいに料理を仕上げるために、有用か。

事前に確認したとおり、きちんと洗っており、泥がついていない。

「夏場に、ごぼうなんて。」

とは、本当に偏見で、銀座店ではすごく良く売れている。

男性スタッフ間では、ちょっとした話題。

「この時期に売れないと思ったけど、売れてるね。」
「そうなんですよ。」
「びっくりです。」

と異口同音。

サラダごぼう、あるいは新ごぼうと呼んではいるが、煮物にも使えるし、当然、きんぴらや、お味噌汁にも入れられる。

熱湯で少し湯がいた後、マヨネーズにあえても美味しい。
あるいは、ナムル風に、ごま油、摩り下ろしたにんにく、塩で調味して、食べても良い。

ぜひ、この”流行(?)”に乗ってみてほしい。

■サラダごぼう 鹿児島県産 378円(税込) 約250g(3本くらい)
https://www.shop-ryokuken.com/SHOP/36705.html

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