柿と私7。~陽豊柿を訪ねて~

 岐阜の陽豊柿に興味を持ったが、やみくもに探すわけにもいかない。


岐阜の知人がいないか頭を巡らせたところ、一人思いついた。

当時、私は名古屋の野菜ソムリエ協会のベジタブル&フルーツマイスターの中級の研修を受講していた。

その同期生に、岐阜の農家さんがいたのだ。

しかも、青年部会みたいなものも組織している同年代の方。

名刺の交換はしておくものだ、と思った。


電話してみたら「調べてみます。」と言われ、すぐに返事が来た。


「岐阜の西美濃地区に一大産地があります。他に、本巣の軽海で、鉢植えで育てている方もいるようです。あとは自分で探してみてください。」


この、数行の文章を頼りに、私は、岐阜に向かった。


新幹線で名古屋に向かい、レンタカーを借りて、西美濃に向かった。

計画は、午前中に西美濃を周って話を聞いて、ダメだったら、本巣のほうまで行く。


果たして、西美濃に着くと、山間に多くの柿畑があった。

年が明けて2月のころだったので、果実は一切なっていない。


数少ない人影を見つけて、ヒアリングして、ようやく、「おお、栽培しとるよ。」という人に出会った。


「ついこないだ、最後の一個を食べたところで、まあ、やわらかいけれど、美味しかったよ。」


「本当ですか!?」


本当に、年越しまで日持ちする柿なのだと聞き、いてもたってもいられない。


「今年、お取引きできたりしますか!?」

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