久し振りのマルシェを終えて。

 「今日は結構売れたんじゃないですか?」


隣の三吉食堂のお姉さんに言われた。


「はい!」とにっこりお答えした。


いつもの二倍くらいだろうか。

ただ、出店数も減っていたから、もっと売り上げなくてはいけなかったのかもしれない。


満足感もありながら、16時の閉店後、マルシェの事務局の方と話す。


「いつもの倍は売れました。」

「それは良かったです、何よりです。」

「でも出店数も減ってますもんね。1/2くらい?」

「もっとです。1/3くらいです。」

「じゃあ、やっぱり三倍くらい売らなきゃいけなかったですかね…すみません。」

と私が答えると、遮るようにして、

「いやいや、そこは言いっこなしでしょう。とりあえず、再開できた、また開催できた、っていうことが大きな一歩です。」


私は、まったく事務局の方を責めているつもりはなかったけれど、売上が今一つであることは、指摘されたくなかったようで…。

そういえば、思い起こしてみると、今回は、フェイスブックなどでの告知を一切しなかった。

理由は、もちろん、密を避けるため。

あえて、主催者側は、宣伝をやめて、混雑することを避けたのだ。


そういえば、銀座でよくお会いし、マルシェにも足を運んでくださるお客様も、今回のマルシェが開催されることをご存じなかった。

「え?やるんですか?」と言っていたっけ。


開催はするものの、集客は自粛する。


なかなか、せちがらい世の中だ。

仕方ないのだけれど。

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