公私混同10。~同世代からの刺激1~

「ボクね、夢見た。」

「へえ~」

「白クマがナーサリー(=保育園)をおそってきた。」

「…。」

朝起きて、傷だらけの顔の次男が、私に言ってきた。
そういえば、3人とも顔が細かい擦り傷だらけである。

畑を飛び回ったせいで、知らず知らず、傷ができたようである。
だが、左耳の後ろの次男の傷は、それではない。。。

「ここはどうしたの?」

と聞くと、長男に押されて、ベッドの間にある、ラジオ機材にぶつけたらしい。

彼らは、朝5時から起きだして、広いホテルの部屋でギャーギャー追いかけっこやらかくれんぼをしていたようである。

7時に私が起き、長男に問いただすと、そんな答えが返ってきた。
そこにあるものをなんでもおもちゃにできるのは、悪いことではないと思うのだが…。

朝食はつけられたので、朝風呂をみんなで入って、3階のレストランで舌鼓を打った。
豪華な、雰囲気のある調度品が並び、豪華なレストランだった。

チェックアウトを済ませ、外に出るとびっくり。
ゴルフコンペがあるのか、エントリーの受付もしているし、駐車場も満杯。
昨晩と全く違う活気に驚いた。

「朝は何を見に行くの?」

「う~ん、アスパラかな。」

トンネルを抜けると、すぐに赤井川村に入った。
赤井川村は、火山の爆発でできた典型的なカルデラ盆地。
村の周囲、一周が山で囲まれている。

しばらくまっすぐな道が続く。

両側に民家や学校、直売所などがぽつぽつとある。
すごく気持ちの良い道路なのだが、人気がない。

「だれもいないね~」と長男。

20分ほど車で走って、赤木さんの畑に着いた。

ログハウスがいくつか立ち並ぶ。
駐車場はきれいに整備されているが、たしかカフェがあって、お父様にコーヒーをご馳走になった建物は、今はもう運営していないようだ。

あれ?

ここも人気がない…。

「とーちゃーん、ほおずきがなってる~」

先行して農場の中へ中へと進んでいた息子たちが叫ぶ。

「とーちゃーん、きて~。にわとりがいっぱい~」

赤木さんは、もともと札幌出身。
ご両親とともに、赤井川村にきて、実はハム、ソーセージ、ベーコンの加工から事業を興した。

赤木さんは、独立部門として「農業事業」を立ち上げ、アスパラガスを栽培。
単身、アスパラガスの本場であるドイツも尋ね、栽培技術や品種を学んだ。

ホワイトアスパラガスをメインにして、有機栽培に取り組み、有機JAS認証も取得。
赤井川村で農業を行う方が少なかったため、農薬の飛散などの心配もなく、有機認証が取得しやすい環境ではあったが、それを10年継続しているのだからすごい。

私が10年前、ユニクロが立ち上げ、私自身も所属していたSKIPにはない商品として、産地開発したいともくろんだ二番目の商品が、このアスパラだった。

赤木さんも、個人に販売するだけで、業者に販売するのは初めてだったと聞いている。

私どもりょくけんが、赤木さんにどれだけ寄与したか分からないが、2010年には、赤木さんの農業部門が、畜産部門を超えて、事業のメインに。
ご両親は、赤木さんに事業を任せ、札幌に帰った。

以来、赤木さんのホワイトアスパラガスは、レストランさんを中心に伸び続け、ここ数年、需要に対して供給が追い付かないほどだった。
りょくけんにも、発注しても届かない週もあった。

現在、4月後半から7月中旬までの出荷時期で、15tのホワイトアスパラガスの生産を誇る。

事務所として使っていると思われるログハウスの間を抜けると、左側に鶏舎がある。
赤木さんの事業のもう一つの柱になっている、鶏卵だ。

色が違うのは雄鶏だそうで、有精卵になっている。
現在も、軽トラで札幌方面まで、たまごと野菜を届けているそうな。

奥のほうに、広く開墾した場所があり、そこがアスパラガスのメイン圃場だ。
ハウスと露地と両方があり、ほおずきもその一番右の列に植えてあった。

だが赤木さん見当たらない。
ほおずき畑に、女性がたくさん働いているが、ちょっと農家に見えない。

はてな?

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