山梨県 大塚地区を訪ねて3。 ~自然薯!~
この時期に山梨に来た目的は三つ。
1.レインボーレッドキウイの確認。
2.山芋の様子を確認。
3.あわよくば、身延まで足を延ばして、枝豆を確認。
電話でもすぐわかったことだが、健二さんはかなりの情熱をお持ちだ。
息子三人が畑や庭や道路や仕事場をちょろちょろとしているのにも寛容で、ずっと熱っぽく説明してくださった。
「実は私、コントラバスの奏者をしてまして。これからジャズのコンサートに行くところなんです。まあでも30分くらいなら大丈夫。」
奏者もしつつ、弦楽器の修理を本業としている。
その傍ら、野山にある山芋を栽培できないかと研究し、7年かけてようやく経済栽培にこぎつけた。
「いやあ、しかし良いお仕事をされてますね。」
電話でも言われたが、面と向かって言われると、照れるし、正直、何度言われてもうれしい。
ヤマノイモ=自然薯(じねんじょ)は、長い間、人による栽培が不可能と言われてきた。
栽培が可能になったというニュースがそこかしこから出てきたのは、ここ数年のことである。
ポイントはいくつかある。
私なりに、健二さんの話をまとめると、次の5つ。
1.むかごを春植えし、その年の12月にその芋をまた土に植える。
2.草は抜かない。
3.自家製堆肥。
4.自家製木酢。
5.塩ビのパイプ、鉄管は使わない。
むかごは漢字で零余子と書く。
じゃがいもやヤマノイモ類の、いわゆる種子で、つるになる小さな実だ。
これ自体も、食べることができ、ほろ苦い風味で、山菜の一つにも数えられる。
こちらを春に植える。
ちょうど今頃、掘り出して、手に入れた直径5cm程度の小さな長芋が、種芋となる。
これを畑に植えて、その翌年、1kgにもなる自然薯が出来上がる。
そして、野山には草がある。
だから、草はとらない。
不思議だが、同じ酸性の大塚地区の畑で育てても、きれいに草を抜いている土地では大きくならないらしい。
相互作用があって、大きくなるようだ。
収穫後は、この草を刈って、堆肥場に持っていく。
土も入れて、定期的に掻き回し、堆肥を熟成させて、また、土に入れる。
この時、雑草についている種も大事だそうで、そのまま土に入れて、草を生やすようにしている。
木酢(もくさく)も自家製。
炭を作る窯も備え付けにしており、その灰を、ドラム缶にためた雨水に溶かして常備しているのだ。
一応、木酢は、農薬のひとつ。
または、土壌改良や肥料として使用が認められている農業資材。
有機栽培にも使用が認められている。
そして5つ目のこだわりが、塩ビパイプや鉄管を使わないこと、だ。
自然薯の類は、とにかく長く、曲がって育つので、収穫しづらい。
これを補うため、パイプの中に種芋を入れて、土中に埋める方法が一般的。
できるだけまっすぐに育てて、掘り出すときにはパイプごと掘り出せばよいわけだ。
が、健二さんは、できるだけ自然に近い方法で育てたいので、パイプを埋める方法はしない。
「じゃあ、一日に何本も掘れないですね?」と聞くと
「午前中は、修繕をやって、畑仕事に取り掛かれるのは14時から。日没まで2時間くらいやって惚れるのは5本くらいですね。」とのこと。
来年は1000本超植える予定だそうで、これはかなり大変そうだ。
「いつごろからですか?」
「収穫は11月23日から、と決めています。これを早めてとった時があったんですが、その時掘ったものは腐っちゃってね。ダメなんですよ。やっぱり。」
オススメはとろろ。
本当になめらかに仕上がり、まるで牛乳のようになるそうな。
今から、とても楽しみである。
「健二さん、そろそろ~。」
防除の後には当然、服にも薬剤が残る。
服を着替え終わった塩島さんがいらっしゃった。
「キウイとりに行きましょう。」
「きゅうりじゃない、ぶどう~」と次男…。
1.レインボーレッドキウイの確認。
2.山芋の様子を確認。
3.あわよくば、身延まで足を延ばして、枝豆を確認。
電話でもすぐわかったことだが、健二さんはかなりの情熱をお持ちだ。
息子三人が畑や庭や道路や仕事場をちょろちょろとしているのにも寛容で、ずっと熱っぽく説明してくださった。
「実は私、コントラバスの奏者をしてまして。これからジャズのコンサートに行くところなんです。まあでも30分くらいなら大丈夫。」
奏者もしつつ、弦楽器の修理を本業としている。
その傍ら、野山にある山芋を栽培できないかと研究し、7年かけてようやく経済栽培にこぎつけた。
「いやあ、しかし良いお仕事をされてますね。」
電話でも言われたが、面と向かって言われると、照れるし、正直、何度言われてもうれしい。
ヤマノイモ=自然薯(じねんじょ)は、長い間、人による栽培が不可能と言われてきた。
栽培が可能になったというニュースがそこかしこから出てきたのは、ここ数年のことである。
ポイントはいくつかある。
私なりに、健二さんの話をまとめると、次の5つ。
1.むかごを春植えし、その年の12月にその芋をまた土に植える。
2.草は抜かない。
3.自家製堆肥。
4.自家製木酢。
5.塩ビのパイプ、鉄管は使わない。
むかご |
じゃがいもやヤマノイモ類の、いわゆる種子で、つるになる小さな実だ。
これ自体も、食べることができ、ほろ苦い風味で、山菜の一つにも数えられる。
こちらを春に植える。
ちょうど今頃、掘り出して、手に入れた直径5cm程度の小さな長芋が、種芋となる。
右がむかご。左が最近掘り出した種芋。 |
そして、野山には草がある。
だから、草はとらない。
不思議だが、同じ酸性の大塚地区の畑で育てても、きれいに草を抜いている土地では大きくならないらしい。
相互作用があって、大きくなるようだ。
収穫後は、この草を刈って、堆肥場に持っていく。
土も入れて、定期的に掻き回し、堆肥を熟成させて、また、土に入れる。
この時、雑草についている種も大事だそうで、そのまま土に入れて、草を生やすようにしている。
草は抜かない。 |
木酢(もくさく)も自家製。
炭を作る窯も備え付けにしており、その灰を、ドラム缶にためた雨水に溶かして常備しているのだ。
一応、木酢は、農薬のひとつ。
または、土壌改良や肥料として使用が認められている農業資材。
有機栽培にも使用が認められている。
そして5つ目のこだわりが、塩ビパイプや鉄管を使わないこと、だ。
自然薯の類は、とにかく長く、曲がって育つので、収穫しづらい。
これを補うため、パイプの中に種芋を入れて、土中に埋める方法が一般的。
できるだけまっすぐに育てて、掘り出すときにはパイプごと掘り出せばよいわけだ。
が、健二さんは、できるだけ自然に近い方法で育てたいので、パイプを埋める方法はしない。
「じゃあ、一日に何本も掘れないですね?」と聞くと
「午前中は、修繕をやって、畑仕事に取り掛かれるのは14時から。日没まで2時間くらいやって惚れるのは5本くらいですね。」とのこと。
来年は1000本超植える予定だそうで、これはかなり大変そうだ。
「いつごろからですか?」
「収穫は11月23日から、と決めています。これを早めてとった時があったんですが、その時掘ったものは腐っちゃってね。ダメなんですよ。やっぱり。」
オススメはとろろ。
本当になめらかに仕上がり、まるで牛乳のようになるそうな。
今から、とても楽しみである。
「健二さん、そろそろ~。」
防除の後には当然、服にも薬剤が残る。
服を着替え終わった塩島さんがいらっしゃった。
「キウイとりに行きましょう。」
「きゅうりじゃない、ぶどう~」と次男…。
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