公私混同1。～プロローグ～

「え、まじで！？」
「ええ。めったにないことですし、とってください。」
「え、でも土日だよ。土日の連休なんて取って良いの？そんなことしたら、息子どもと北海道とか一泊二日で行っちゃうよ。」
「ええ。行ってきてあげてください。お店はちゃんと回しますから。」

10月の店舗のシフトを決めるときだ。
思いもかけず、土日の連休をいただいてしまった。

有言実行、新千歳空港への航空券を予約。
一人なら、成田からの格安航空券を買うところだが、7歳、4歳、2歳の男子3名を連れて行くとなると、羽田がベターと思い、唯一ともいえるLCC「スカイマーク」で席を確保。
有難いことに、子供料金の設定がある。
多くのLCCはこの設定がない。
結局4人で、往復11万円弱かかることになった。

正直、社長とはいえ、薄給にまだ抑えているので（来期こそ自分の賃上げを！）、痛い出費であり、支払える金額ではないのだが、こんな機会はもうないかもしれない、借金してでも行こう、と決めたのだった。

息子たちに意思確認。

「北海道行くけど、一緒に行く？飛行機乗る？」

意味が分かっているのか、分かっていないのか、3人そろって

「行きたい！行きたい！」とはしゃいでくれた。

唯一、不機嫌な顔を見せたのは妻。
妻はその二日間遅番で連勤。
家でお留守番となった。

8月は、長男が小学生に上がって、初めての夏休みだった。
色々あって、私は一日しか休みがとれず、息子たちは学童あるいは保育園に預けっぱなしだった。

なんとなしに、私にはそれを負い目に思っていた。

ただ一つ言ってしまうと、完全なる公私混同の旅程…。