二つ目の品種は、ウィンク。 こちらも、かいじを片親にしていて、ルーベルマスカットというぶどうを掛け合わせている。もっと言えば、ルーベルマスカットの片親もかいじであり、3/4は、かいじである、と言える。 品種改良は、国の機関である、「農研機構」さんが本当に最近頑張ってらっしゃっていて、すごい品種を次々と生んでいるのだが、民間の育種家にもすごい方がいらっしゃる。 ぶどうの中では、岡山と山梨にそれぞれお一人ずつ、”先生”がいる。 その山梨の育種家 志村先生が生んだ品種の一つなのだ。 ”マンズワイン”という企業が最近、日本のぶどう業界をリードしている。 実は、お醤油で有名なキッコーマンさんが取り組んでいるワイン製造業者で、日本でも世界に負けないワインを、とそれまでの醸造技術、経験を生かして、ワインづくりに挑戦している。 志村先生も、実はそこで研鑽を積んできた方。 最近では、押しも押されぬ大ヒットぶどう品種の「シャインマスカット」に何かしらの品種を掛け合わせて、新品種を世の中に送り出している。 先日、愛媛県の農家さんからお送りいただいたのも、この志村先生の最新品種だった。 機会があれば、ぜひお会いしてみたい方の一人だ。 さてさて。 ぶどうの品質を語るときには、いくつかのパラメーターがあるのですが、果肉の食感を表すのに、”崩壊性”という言葉を使う。 かいじのように、硬めのゼリー質でほろっと崩れるような食感のことを指す。 反対は、デラウェアや巨峰の果肉の質で、つるんとした食感。 このウィンクは、血筋からも想像が容易だが、明らかな崩壊性の果肉。 ”剥皮性”という言葉も使われる。 つまりは、皮が剥きやすいか剥きづらいか。 ウィンクは、かいじと同様に、剥きづらい。 皮ごと食べるのがオススメだが、ナガノパープルなどに比べると、やや厚い皮だ。 「ウィンクというかわいい名前なのに、本当に大きくてかわいくない。」という塩島さんの言葉の通り、とても房なりが大きく、1kgを超える房がたわわに実る。 味もよく、9月後半から10月前半にかけて楽しめる。 食味はとてもよく、糖度も高い。 皮も美味しい。 種は、ジベレリン処理で、抜くこともできるが、あまり抜け切れないようで、今回食べたものは大体、種ありだった。
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