美味しいたまごを、無事にお届けするために。

 昨今、様々な場面でコストアップに直面する。

それに抗おうとするのが、企業努力なわけだけれど。


たまごの通信販売は難しい。


ひとえに、割れるからだ。


それを防ぐ手段がいくつかある。


1.配送の車を専用の車を使用する。

 サスペンションなどが特別になっており、揺れなどの衝撃が少ない車があり、大手たまごメーカーやケーキ屋さんが利用している。

 当然のことながら、高コスト。

 弊社では使用できていない。


2.PETのプラスティックではなく、紙のパックを使用する。

 量販店で見かける透明のパックは、中身が見えて安心だけれど、衝撃にとても弱く、箱の角などに置くと、衝撃で容易に割れる。

 紙製のパックは衝撃を和らげ、たまごを守ってくれる。


3.殻を丈夫にするため、飼料の調整をする。

 カルシウムなどを配合し、殻を固くすることができる。


りょくけんと高知の生産者の佐々木さんとは、以上のうち、2と3を行っている。

その他、外箱の段ボールを二重三重にしてショックを和らげている。


りょくけんからお客様の元にお送りする際には、検品はもちろんのこと、紙パックの周りに発泡スチロールのシートで巻き、万が一割れた際には、卵の中身が他の野菜くだものに飛び散らないようにビニール袋に入れている。


たまごの検品作業風景

https://www.youtube.com/watch?v=tCcVbiO0BLA


厳重に梱包した後、段ボールには、”たまごが入ってますよ”シールと、”この面を上に”シールを貼り、配送ドライバーさんに注意を喚起している。


もうひとつ行っているのが、佐々木さんが“メガネ”と呼んでいた緩衝材だ(写真下)。


紙パックの中で、たまごが上下左右に動かないようにするクッションのこと。

二つ穴があり、6個入りのたまごに優しく抑え、紙パックの中で動いて割れるのを防いでいるのだ。


ところが、佐々木さん。

昨年4月ごろから、原材料のコストアップに抗うため、メガネと呼ぶ緩衝材の厚さを薄くする判断をした。

当然、企業努力なのだけれど、、、それ以来、たまごの割れが増える、増える…。


弊社にヤマト運輸さんが運んでくださった時点での割れはもちろんのこと、お客様にお送りした際の割れも急増。

ーこれには困った。


当然、佐々木さんに、メガネの厚さを元に戻していただくようお願いしたが、かなりのロットで作成しているそうで、簡単には戻せないという回答だった。


出荷スタッフさんで相談し合い、弊社到着時の検品を強化。


ひとつひとつ今まで以上に丁寧に検品し、割れ(写真上)やヒビ(写真下)がないかを確認し、厳しくはじくようにした。


そして、薄くなったメガネの厚さの分、たまごの高さを上げるべく、一玉一玉のたまごの下に、小さくカットした発泡のシートを敷くように変更した。



正直、経営者として、この発泡シートのコストとそれにかかる人件費は、看過できるものではない。

検品と、この発泡の紙を敷く時間は、以前の3倍かかるからだ。


でも、この作業を行ってから、劇的に割れは減った。


ただ、ここまでしても、割れて届いてしまうことがある…。

よくよく分析してみると、たまごが割れてしまう送り先は3か所程度に限られていることに気づいた。


それならば、宅配センターやドライバーさんの荷扱いや意識のところからも知れない。

該当のセンターさんに連絡し、ご留意いただくようお願いした。


そんな努力から3か月以上が経った。

割れは激減したけれど、まだ0ではない。


すべては、美味しいたまごを、憂いなくお届けするために。



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